世界へ”FLY”する東大生

~入学して即休学 世界の幼児教育を取材する旅へ

登阪亮哉くん(東京大学)

第2回 誰もやったことのないような世界一周をやってやろう

僕の計画のタイトルは「世界一周の取材旅行による、幼児教育の横断的分析」です。具体的には、各国の幼児教育の機関にアポを取り、実際に現場に赴いて教育内容や、その子供たちが家庭でどのように育てられているのかについて取材し、それをみらいぶなどのWebメディアで公開しようと思っています。そのために、新聞記者をされていた方や、幼児教室をしていらっしゃる方のご協力をいただきながら、8月末まで取材スキルと幼児教育への理解を磨き、9月には海外へ出発するつもりです。


1月にFLY Programでの世界一周を決意してから、この大それた計画にたどり着くまでには、様々な紆余曲折がありました。
 

取材経験を活かして

最初の大きなきっかけは、2月のはじめに行われた高校の卒業式の直後に、大学で何をやりたいかについて友人と話したことです。そこで僕が世界一周するつもりだと打ち明けると、友人に「面白そうだけど、誰かやってそうだよね」と言われました。言われてみればたしかに、世界一周自体は意外と多くの人が経験しているし、FLY Programでの世界一周もどうやら前例があるようです。そこで、「他の誰かでもできたことをやって、本当に自分は満足なのか?」と自問するようになり、やがて「誰もやったことのないような世界一周をやってやろう」と考えるようになりました。そして、自分にしかできないことは何かを考え始めました。

その中で最初に思い付いたのが、高校時代に新聞委員会に所属していた経験を活かしての取材旅行です。新聞委員会では他校の活動的な高校生を取材するなどしていて、そのクオリティが認められてグランフロント大阪で行われたイベントに登壇させていただいたりもしました。高校時代にもっとも力を入れていた「取材」のスキルを活かして、誰もやったことが無いような世界一周計画が作りたい。そう思うようになりました。

「教育」は自分にしっくりするテーマ

取材をすると決めたら、次はその対象について考えました。活動的な高校生を取材することや、ベンチャー企業を取材することも考えたのですが、最終的に僕の中で一番しっくりきたテーマは、教育でした。それは、僕自身が今まで進学校というある意味特殊な教育を受けてきた中で、影響されている部分を強く感じたためです。それだけでなく、教育という分野は教育する側とされる側がおり、する側は理想のゴールを設定して方法を構築する、される側は自分や親の理想を達成できるように教育を利用するなど、様々な関係者の様々な思惑が絡んできます。その一致している部分や矛盾した部分などが取材で明らかになれば、非常に面白いと感じました。こうして、計画の骨子である「教育に関する取材」という部分が成立しました。

そしてこの時を境に、僕の中でのFLY Programの意義は、「大学のための準備期間」ではなく、「人生における最初の大仕事の機会」となったのです。

この後僕は幼児教育という領域にたどり着くことになるのですが、次回は少し話題を変えて、FLY Programの企画作成や申請の難しさについて述べたいと思います。

ディベート部にも参加。一番右が登阪くん。高3の夏の引退試合にて
ディベート部にも参加。一番右が登阪くん。高3の夏の引退試合にて

※東京大学初年次長期自主活動プログラム(FLY Program)
http://www.c.u-tokyo.ac.jp/info/academics/zenki/fly/

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