世界へ”FLY”する東大生

~入学して即休学 世界の幼児教育を取材する旅へ

登阪亮哉くん(東京大学)

第3回 受験勉強しながら立てたFLY Program計画

前回、僕がどのようにFLY Programの計画を練ったかについて説明しました。しかしこの間、僕は受験生でした。受験勉強に集中すべき時なのに、FLY Programについての考えを進めていたのには理由があります。

 

合格発表後3日以内に申請書を提出?!

実は、FLY Programに参加するためには、合格発表の3日後が締め切りの入学手続き書類に、事前申請書を添付する必要があるのです。さらにその申請書には、計画の概要と目的だけでなく、大まかな日程や資金計画まで書かなければいけません。ということは、合格がわかってから考え出すのでは間に合わず、遅くとも二次試験終了時にはなんらかの方向性が決まっていないとしっかりとした計画を立てるのが難しいのです。特に僕の場合は、計画に関して様々な方に協力していただく必要性を感じていたため、試験終了後すぐにアポを取るべき人をリストアップし、文面を用意していました。不合格だった場合にご迷惑をかけてしまわないように、合格がわかるまで動かなかったので、試験終了から合格発表までの日々はとてももどかしかったです。ですが、世界一周についていろいろな人の体験談を読み、自分が実際に旅をするときを想像するのは、合格発表までのとても大きな心の支えとなっていました。


合格発表の日、幸いにも合格通知が届き、ようやく申請書を書ける段階になりました。しかし、まだ最大の難関が残っていました。それは、両親の説得です。卒業までの時間が1年も伸び、計画内容も単身での世界一周という危険極まりないものなので、両親は当然反対しました。僕がどれだけ真剣か、僕の計画がどんな意味を持つか、何度も何度も説得を繰り返し、ようやく申請書を書きあげて同意書のはんこをもらえた時には、入学手続き書類の期限がかなり迫っていました。


しんどかった大学の授業との両立

こうしてなんとか無事に事前申請書を出せたのですが、これだけではまだFLY Programには参加できません。この後さらに、より詳細な本申請書を提出したうえで、担当の先生方との面接を経て、ようやく採用が決定するのです。本申請書の締め切りは4月上旬なので、授業開始からわずか1週間ほどで書き上げなければなりません。それに加え、採用前は一般の学生として大学の授業に出なければいけません。この期間は慣れない新生活に加え、やらなければならないことも多く、とても大変でした。ですが、なんとか申請書を書きあげ、協力してくださる方々に見ていただいてブラッシュアップしていくうちに、僕自身の中で何をやりたいのかが明確になっていったことは、とても有意義だったと感じています。

 


1人暮らしも始まった
1人暮らしも始まった

面接は4月の中ごろにあり、主に申請書の中であいまいな部分や、修正すべき部分について質問されました。入学直後の学生がいきなり東大の先生5人に対して1人きりで話さなければいけないのでとても緊張しましたが、なんとか採用されようと必死で準備していったために、なんとかすべての質問に対して動じずに答えることができました。

これらを経て、4月下旬にようやくFLY Programの三期生としての採用が決定しました。つまり、それまでは一般の学生として授業やガイダンスに出たり、受けたい授業を選ぶ履修登録という作業をしたりしながら、FLY Programに関する準備もしなければいけませんでした。とても大変で、やりがいのある2週間だったなと今では思います。


次回は、僕が幼児教育という領域にたどりついた過程と、幼児教育の重要性について述べたいと思います。


つづく

第4回 休学経験者インタビュー 
休学中、東北の被災地域のNPOで子供たちへの学習支援活動
~休学より重要なのは、価値ある1年をいかに自分で考えて創っていくか

※東京大学初年次長期自主活動プログラム(FLY Program)
http://www.c.u-tokyo.ac.jp/info/academics/zenki/fly/

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