地球時代、今を生きる学問

AKBから読みとろう! いまどきの人間関係

土井 隆義 (筑波大学大学院人文社会科学研究科教授)

1960年生まれ。現代の青少年が抱える「生きづらさ」の多彩な現実と、その背景にある社会的要因について、青少年犯罪などの病理現象を糸口に、人間関係論の観点から考察を進めている。いじめ問題についてもしばしば言及し、20127月に朝日新聞に掲載された『いじめられている君へ』は大きな反響を呼んだ。著書に『友だち地獄』(ちくま新書)や、『「個性」を煽(あお)られる子どもたち』(岩波ブックレット)、『キャラ化する/される子どもたち』(同)など。

第1回 AKBの人気と現代社会

2012年の春は、日本中が総選挙で盛り上がりました。と いっても国政選挙のことではありません。 皆さんよくご存知のAKB48選抜総選挙のことです。このイベントは、いまや巷では国政選挙をしのぐ勢いとも囁か れているようです。皆さんの中にも、きっと投票した人が大勢いることでしょう。

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第2回 フラット化する人間関係

皆さんは、従来のアイドルグループと比較してみたとき、AKBのメンバーの特徴はどこにあると思いますか。私は、少女たちがいずれもしろうとっぽさを強く残している点にあると思っています。AKBのオーディションでは、これまでのアイドルグループとは違って、飛びきりの美少女ではなく、クラスで中ほどの女の子が受かるといいます。

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第3回 多元化した価値観の交差

2012年の元旦、ある全国新聞の紙面に、昨年のAKB総選挙で第1位に選ばれた前田敦子さんのインタビュー記事が掲載されました。その中で、彼女はこう語っています。「プロデューサーにセンターで歌えといわれても、どうして自分なんだろうと不安があった。でもファンに選んでもらって、ここに居ていいんだと思えました」。

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第4回 当事者主義の時代の到来

仮想アイドル歌手の初音ミクは、コンピュータ・ソフトウェア会社のクリプトン・フューチャー・メディアが手がけたボーカロイド(音声合成ソフト)です。いまや「彼女」のファンは、コンピュータ・ソフトに関心をもつ層を超えて、一般の若者にまで広がっているようです。

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