第10回全日本高校模擬国連大会

ニューヨークへの派遣が決まった優秀賞受賞校インタビュー

一人ひとりと丁寧に向き合うのが私たちの強み

渋谷教育学園渋谷高校(東京都)Aチーム 担当国:大韓民国(議場B)

小牧薫子さん(1年)、鶴巻明梨さん(1年)

 

左から 小牧薫子さん(1年)、鶴巻明梨さん(1年)
左から 小牧薫子さん(1年)、鶴巻明梨さん(1年)

1.担当国を希望した理由を教えてください。特に、今回の議題の「サイバーセキュリティ」については、担当国のどのような点に注目されましたか。

 

希望国を決める際には2つのことを考えます。1つは自分たちらしい国はどこか、もう1つは会議にどんな対立があるのかということです。私たちは国際益に向けて議場全体に働きかけるような行動が得意だったので、この会議でも国際益が国益に近い国を探しました。韓国は、米国との協力が切れない立場でありながら、北朝鮮との関係においては非常に複雑な行動をとるので、中国側と欧米側の橋渡しをする上でとてもいい国でした。

 

2.全国大会に向けてどのような準備をしましたか。

 

お互いの家に泊まって準備したり、ファストフード店のWi-Fiを使って課題を仕上げたり...。リサーチしては議論し、議論しては整理し、整理した内容をまたリサーチし、の繰り返しでした。会議準備中は、家族といるより長くペアといたと思います。

 

 

3.準備の段階で苦労したことは何でしょうか。

 

サイバー空間という議題は、自由主義と社会主義の対立だったので、双方を納得させる落とし所が見つけられずに苦労しました。

 

国の安全保障状況を簡単には変えられないし、ましてや主義を変えることはできないですから、どのように国際的に干渉しあえるもの(技術や資金支援)に話を落とし込むかがたいへんでした。それから、切羽詰まってくると、自分もペアも口調が怖くなり生産性が下がるので、時々自分たちで「顔怖いよー」と言い合ったりして、雰囲気をほぐしあっていました。

 

4.大会当日は、どのようなことに気を付けながら会議に臨みましたか。

 

相手の主張を否定せず、自分たちが準備の段階で決めていた自国の国益に相手の主張を持っていくように交渉をすることです。

 

どの国の大使も「これが解決策だ!」と考えて持ってきているものがあって、それを否定しても自分たちの考えは受け入れてもらえません。相手の主張を潰すのはディベートであって、外交の場ではありませんから、他の大使にも「自分の意見をこの議場に残したぞ」と思ってもらえるような行動を心がけました。

 

5.会議を進める上でいちばんたいへんだったことは何ですか。それをどのような工夫や努力で乗り越えましたか。

 

自分の意見を多くの人に聞いてもらうことが大変でした。大声で話すよりも、一人ひとりと話して信頼関係を築いていくことで、多くの人に自分の意見を聞いてもらえるようにしました。

 

大きな声でしゃべったもの勝ちでは、体力的に勝てないことは明らかだったので、大きい声で議場を支配しようとする人たちとどう自分たちを差別化するかが大変でした。私は文書が書けたので、一人ひとりの意見と向き合いながら文書を書くという点で差別化しました。

 

6.世界大会出場が決まった瞬間の気持ちを教えてください。

 

正直びっくりしました。会議中、大きな声で大勢で話をするようなことはしていなかったので。しかし、一人ひとりと話していたことが評価されたのは、とても嬉しかったです。

 

評価の内容が読み上げられるまで、自分たちは通らなかったと思っていました。全国大会の場で最高のパフォーマンスをすることはできませんでしたが、私たちの行動が評価されたことはとてもうれしかったです。

 

7.世界大会に向けての抱負を教えてください。

 

全日本大会と同じように、一人ひとりの大使と話すことで信頼関係を築いていきたいです。

 

私たちの強みを生かして、議場で輝きたいと思います。

 

8.これから模擬国連を目指す人へのメッセージやアドバイスをお願いします。

 

会議が終わった後は、落ち込むことがほとんどです。正直、上手くいったと思った会議はありません。それでも、その会議で出会った人と仲良くなったり、自分の会議行動を褒めてもらったりすると、やってよかったと思えます。諦めずに、継続することに意味があると思います。

 

まずは始めてみてください。活動している学校なら体験してみる、やっていなかったら全日本高校模擬国連大会にアプライしてみる。一度議場を経験すると、めちゃめちゃ落ち込みます。何もできなくて。でも、その場に輝いている人もいるはずです。そんな人たちを目標にして続けてみてください。つらいこともあるけれど、壁を越えた時の達成感も桁違いですよ!

 

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