世界をリードするIT企業、グーグル、アマゾン、アップル、マイクロソフト、そして日本のヤフーや楽天は、社会に様々な便利を届けてきました。これからは日本からも続々とそんな企業が出てくる? そして、社会の課題を解決していってくれる?
その最大なカギはプログラミングスキル。いかに限られた電力、時間、メモリなどで、コンピュータを働かせ解答を導き出せるか、そんな能力を誰もが持って、医療も農業も行政も、どんな分野でも、工夫しあい、作り、広めていくような、協働していく社会が求められています。
今後、高校の情報でも、どんどんプログラミングの授業時間も増えてくると思われますが、 そういうプログラミングスキルを高校生(中学生も参加)で競う第30回の世界大会の開会式が、9月2日(日)に行われ8日(土)まで、日本のつくばの地で、繰り広げられます。
出場するのは、世界87カ国から4選手ずつ選抜された約340人。3日(月)と5日(水)のそれぞれ5時間、各3問ずつ、課題(問題例はこちら)を解き、「そのアルゴリズムの速さ、効率の良さ」(17年イラン大会での個人得点世界一位の高谷悠太くんによる)で採点がされ、上位8%に金、続いての17%に銀、続く25%に銅のメダルが贈られます。
日本からは、パソコン部やロボット部、数学部などの部活で鍛えたり、工業高校や高専で学んだ約1000名以上が応募し、80名がオンライン上で行われる予選を通過。その後、2月10日(土)、11日(日)とつくばで行われた本選で成績優秀者20名に絞られ、さらに3月19日(月)から25日(日)までのNTTDATAの研修センターと国立オリンピック記念青少年センターでの合宿を経て、日本代表4名が、選出されました。今回は、特別参加として4名も選出され、計8名が、参加します。
9月3日(月)と5日(水)が競技、4日(火)と6日(木)は、筑波や日本の自然・文化や歴史に触れる視察と交流会、7日(金)に表彰式と閉会式。3日(月)、5日(水)の競技の模様が、午前9時から、ニコニコ生放送の以下のアドレスで、実況(アーカイブ)されます。
競技フロアには、係員しか入れないので、2階から撮影となりますが、解説はついています。別会場にパブリックビューイングがあります。インターネットサイトでは順位表が公開され、生中継と並行して見ることができます。
3日9:00から
http://live.nicovideo.jp/gate/lv314346210
5日9:00から
http://live.nicovideo.jp/gate/lv314346336
日本の高校生たちが、世界の天才プログラマーたちとどう渡り合うか、注目!ぜひご視聴ください。
大会実況はこちら→
ランキング・発表〜中国勢が奮闘、井上くん(北九州高専)が6位
https://ranking.ioi18.net/Ranking.html
写真速報
https://www.ioi-jp.org/ioi/2018/quickreport.html
日本代表4人中の2人の、抱負を聞きましたので、ご紹介しましょう。(8月22日<水>の記者会見より)
N高等学校3年 清水郁実くん
情報オリンピックは、競技形式が5時間で3問解くという、一つの問題に対してじっくり長いこと考えた上でプログラムを書くなりして、点数を取っていくような形になっています。
その点、細かいミスをしないとか、瞬間の集中力が試されるわけではないので、多少、気は楽です。しかし、その分長い時間、考察することに対して慣れていることが必要とされる点が、大変だと思っています。
僕は、他の人たちと違って、準備に本気で取り掛かったのが、2年くらい前と、遅かったこともあって、そこからは、1日10時間くらいかけて、努力してきました。
具体的には、問題の傾向は、多少違うものの似たような問題が出される大会が、日本でも海外でもオンラインなどで開催されていて、そういう大会に、僕たち選手は毎週のように参加していて、世界中には、人間には、一生かけても解き切れないぐらいの分量の問題があって、それを僕たちが、毎日、一問一問、開けては、答えを取りに行く、という感じの生活を送っています。
そうやって努力して来ましたから、今回の大会では絶対ミスをしたくないと思いますし、ちゃんと実力を遺憾なく発揮してきたいと思います。
筑波大学附属駒場高等学校2年
行方光一くん
自分が情報オリンピックを知ったのは、小学校6年生の最後の頃で、単に海外旅行を無料で行けるみたいな、そういう気分で始めました。そして、中1で初めて参加してから、今年で4回目になります。これまで3回とも日本代表選手の選考会まで行けたのですが、日本代表になれないという経験を繰り返して、4回目になって今年で初めて日本代表になることができました。
去年は、金が3つで銀が1つ、そしてついに日本が1位になりました。そして、今年は日本大会ということで、流れ的には、日本は1位を取って、金メダルを4つ取れよみたいな圧力を感じています。
しかも、自分は来年もまた情報オリンピックに出られる学年なのですが、今年、金を取らないと来年、日本代表にさせてもらえないみたいで、すごく怖いなと思っています。というのも、今回は、特別参加団という日本代表の下の、日本代表にならなかった4人(中学生3人、高校生1人)も、日本代表と同じように競技に参加します。その4人も、過去問、解いていて、金が行けるぞ、みたいな人がいるので、その4人が金を取ったならば、当然、日本代表は、金メダル4人取らないといけません。
しかも、順位表は、公開でリアルタイムに見ることができるので、公開処刑みたいな感じにされるので、そのプレッシャーにも負けないように、金メダルを取っていきたいと思っています。
「第30回国際情報オリンピック」の中の「これまでの代表出場成績」から
(https://jp.ioi2018.jp)
<学年は18年2月段階です>
下表の中から、第30回国際情報オリンピックの日本代表選手団★、特別参加団選手団☆(公式記録・表彰の対象にはならないが同じ舞台で参加)が選出。
賞 | 氏 名 | 学校名 | 学年 |
学校 所在地 |
金賞 | ☆米田 優峻 (よねだ まさたか) | 筑波大学附属駒場中学校 | 中3 | 東京都 |
銀賞 | ★井上 航 (いのうえ わたる) | 北九州工業高等専門学校 | 高専2 | 福岡県 |
★清水 郁実 (しみず いくみ) | N高等学校 | 高2 | 沖縄県 | |
★行方 光一 (なめかた こういち) | 筑波大学附属駒場高等学校 | 高1 | 東京都 | |
優秀賞 | 青山 昂生 (あおやま こうき) | 大阪府立大手前高等学校 | 高2 | 大阪府 |
大森 章裕 (おおもり あきひろ) | 東京都立両国高等学校 | 高2 | 東京都 | |
大森 智仁 (おおもり ともひと) | 帝塚山高等学校 | 高2 | 奈良県 | |
☆岸田 陸玖 (きしだ りく) | 京都市立堀川高等学校 | 高2 | 京都府 | |
木ノ下 恭範 (きのした やすのり) | 東京都立両国高等学校 | 高2 | 東京都 | |
戸髙 空 (とだか そら) | 宮崎県立宮崎西高等学校 | 高1 | 宮崎県 | |
仲吉 朝洋 (なかよし ともひろ) | 慶應義塾高等学校 | 高2 | 神奈川県 | |
行方 聖 (なめかた あきら) | 筑波大学附属駒場中学校 | 中2 | 東京都 | |
楢󠄀原 晃都 (ならはら あきと) | 久留米工業高等専門学校 | 高専2 | 福岡県 | |
平川 令祐 (ひらかわ りょうすけ) | 静岡県立浜松工業高等学校 | 高2 | 静岡県 | |
☆平木 康傑(ひらき やすたか) | 灘中学校 | 中3 | 兵庫県 | |
細川 直希 (ほそかわ なおき) | 筑波大学附属駒場中学校 | 中2 | 東京都 | |
★細川 寛晃 (ほそかわ ひろあき) | 灘高等学校 | 高2 | 兵庫県 | |
宮下 敦行 (みやした あつゆき) | 海城高等学校 | 高2 | 東京都 | |
☆米田 寛峻 (よねだ ひろたか) | 開成中学校 | 中3 | 東京都 | |
米山 瑛士 (よねやま あきひと) | 筑波大学附属駒場中学校 | 中3 | 東京都 |
(以上 20 名。同賞内での並びは氏名の五十音順)
日本代表選手団の団長は、小倉拳さん(東京大学工学部計数工学科3年)、副団長は松崎照央さん(明石工業高専5年)、特別選手団の団長は、當間ジェイソン翔さん(東京大学工学部計数工学科3年)、副団長は、松下祐介さん(理学部情報科学科3年)。
団長の小倉さん、當間さん共に河合塾K会の講師として情報科学講座などを担当していただいており、小倉さんは第26回台湾大会で銀、當間さんは第12回日本情報オリンピックで優秀賞を受賞されました。
なお、表彰式・閉会式は、7日(金)15:00から16:40まで。こちらでは、銅、銀、金と順次に発表され、1週間の交流も含めた振り返り動画と、金メダリストのインタビューが、ニコニコ生放送で見られます。
なお、3日(月)には、パブリックビューイングとともに、世界から引率してきたプログラミング教育等ITの教育の関係者による事例等の報告も聞くことができます。
→スケジュール・プログラムはこちら
https://ioi2018.jp/wp-content/uploads/2018/08/Agenda-IOI-Conference_2018.pdf
日本からは、『キミのミライ発見』で大学入試研究を一緒にさせていただいてきた、神奈川県立柏陽高校の間辺広樹先生が、同じく『キミのミライ発見』で紹介させていただいた「生徒による国際情報科学コンテスト・ビーバーチャレンジの問題作り」について報告されます。
また、同じく研究を一緒にさせていただいた、電気通信大学の中山泰一先生などによる日本の高校での情報の現状について調査も報告されます。
出典:https://www.nii.ac.jp/about/upload/NIITodayJr.pdf
こちらからも
https://joi2014ho.contest.atcoder.jp/img/other/joi2014ho/joi2014ho3.pdf
2019年のアゼルバイジャンの世界大会に向けての応募は、10月から始まりますので、ぜひ挑んでみましょう。
◆日程
参加申込: 2018年10月9日(火) ~ 12月6日(木)24:00
予選: 2018年12月9日(日)13:00 ~ 16:00
本選: 2019年2月9日(土)・ 2月10日(日)
春季トレーニング合宿: 2019年3月19日(火)~ 3月25日(月)
日本情報オリンピックのページはこちら→ https://www.ioi-jp.org