情報処理学会第82回全国大会中高生情報学研究コンテスト ポスターセッション発表

生き物たちを守れ! 生物と海上ゴミを「見分けて」美しい海へ

チーム名:追手門 Challenger

追手門学院大手前高校

辰巳 瑛くん(2年)、小林 直樹くん(2年)、倉冨 星衣さん(1年)、マドックス ジェームスくん(1年)

(2020年3月取材)

「画像認識を使用した進化型海上ゴミ回収ロボットの製作と研究」

 

■発表の内容

 

G20サミットでも話題になった海のゴミ問題。毎年増え続けるゴミの量は、2050年には海の生物の総量をこえると言われている。すでに海上のゴミを回収するロボットは開発されているものの、ゴミだけでなく生物も回収する機構であり、その問題は大きい。そこで、画像認識によって、ゴミと生物を正確に判別し、ゴミだけを回収する海上ゴミ回収ロボットの製作に挑戦。

 

(1)4つのプログラミング言語を駆使し、ロボット本体とサーバーとの接続システム (Ruby、Python、Java、Htmlの4つのPC言語を駆使し、小型PCとサーバーの送受信システムを構築) (2)ビッグデータによる畳み込み学習機能を備えた画像認識システム (1万をこえるデータからその物体の特徴点を認識して判別する畳み込み学習機能を構築)

 

上記2つのシステムを構築し、[SDGs No14 海の豊かさを守る] にアプローチする「進化型海上ゴミ回収ロボット」の開発を成功させた。

 

※クリックすると拡大します

 

 

■今回発表した研究を始めた理由や経緯は?

 

私は、もともとクラブ活動でSDGsの課題を解決するロボットの製作をしていました。

 

その中でビッグデータを使った問題解決ができないかなと思っていました。なぜなら、最近AIやビッグデータなどの言葉を聞く機会が増えているにもかかわらず、便利なサービスにしか使われていない印象があったので、もっと他に活用できる場がないかと思っていました。

 

そんな中、あるアプリを目にしました。「スマホユーザーが落ちているゴミを撮ることによって、その地域のポイ捨てのゴミの種類を地図にする」というものです。私はそれを見て、ロボットに組み込むことにより、もっと効果的にゴミのビッグデータを使えると考え、今回のコンセプトを考案しました。

 

 

■今回の研究にかかった時間は?

 

研究テーマを決めるのも含めておよそ8か月かかりました。クラブ活動なので1年で完了できるようスケジュールを決めて研究しました。

 

■今回の研究で苦労したことは?

 

チームで役割分担をして取り組みましたが、Raspberry Pi(ラズベリーパイ)とサーバーとの接続システムと、サーバー内で行われる学習機能システムの開発には苦労しました。そして、プログラムの実装までが大変でした。とくに実験を行う前段階の準備に時間がかかってしまい、研究の方向性を修正するための実験を行う時間があまりとれず苦労しました。

 

■「ココは工夫した!」「ココを見てほしい」という点は?

 

今回の認識システムで重要視したのが汎用性です。画像認識でビッグデータを扱う以上、常にデータを集めて更新しなければなりません。アプリサービスなら簡単ですが、ロボットの場合だと難しくなります。そこでウェブブラウザでシステムを構築することによって、形(ロボット)にとらわれずに認識をすることができました。また将来的にロボット以外で使えるのも強みです。

 

■オンラインの発表と実際の会場での発表のどちらがよかったと思いますか?

 

今回はポスターだけでの審査でしたが、オンラインだったとしても同じく会場で発表する方がよかったと思います。実際の研究内容をすべてポスターで表現できるわけではないので、研究の内容を知るには対面での話がベストだと思いました。また、私のチームはロボットを作っていたため、実際に見てもらおうと思っていました。さらに、アドバイスをもらうにも、先生や他のチームの生徒との交流も大事なため、やはり会場での発表が重要だと思っています。

 

■今後「こんなものを作ってみたい!」「こんな研究をしてみたい」と思うことは?

 

今回の研究の中でプログラムの実装が複雑で大変だと感じたのですが、実はもっと複雑な部分がライブラリという形でプログラムの下に隠れており、自分の知らない部分がまだまだあるのだと知りました。次はそのライブラリを解き明かす研究をしてみたいと考えています。

 

 

※追手門Challengerの発表は、中高生研究賞奨励賞を受賞しました。

 

第82回情報処理学会全国大会中高生情報学研究コンテスト ポスター発表より

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