第83回情報処理学会 第3回中高生情報学研究コンテスト

ローテクの電化製品をIoT化することで無駄な電力消費を減らし、地球温暖化問題解決へ

チーム名:Otemon Challenger

南方博くん、伊賀妃里さん(追手門学院大手前高校[大阪府]1年)

 

IoT電源タップの開発と研究 〜エコで快適な暮らしを目指して〜

いま、地球温暖化が問題になっている。そして、家電を省エネ化することで、CO2排出を抑えられると考えた。注目したのが、消し忘れの照明や必要以上の暖房などである。

 

そこで、それを解決するために、IoT化電源タップとそれを操作するアプリの開発に挑んだ。IoT化電源タップにはRaspberry PiとMOSFETを使用した自作回路を搭載し、Unityで開発したアプリからSSHで制御するようにした。また、MOSFETを搭載する事により、電源のオンオフだけでなく、電力の調節もできるように。さらにiOSを使用しSiriに登録した単語ごとにSSHで音声操作によって遠隔制御も可能にした。遠隔制御だけでなく、音声操作を搭載することにより、アプリを起動する手間も省くことができた。

 

私たちの開発したIoT化電源タップは、省エネだけでなく、すべての電化製品をIoT化することができ、その可能性を期待している。

 

※クリックすると拡大します。

 

■今回発表した研究を始めた理由や経緯を教えてください。

気候変動の原因となる温室効果ガスの増加は大きな問題です。そこで、無駄な電力消費を減らすことで、この問題を解決しようとしました。Raspberry PiとMOS-FETを用いてIoT電源タップを開発しました。Python(プログラミング言語)で電圧制御を行い、UnityにてC#(プログラミング言語)を使い,遠隔操作をできるようにアプリ開発に挑みました。

 

私たちのIoT電源タップによって、ローテクの電化製品をIoT化することによって、無駄な電力消費の解消につながり、地球温暖化の解決に貢献することを期待します。

 

 

■今回の研究にかかった時間はどのくらいですか。

 

 約4か月かかりました。

 

 

■今回の研究ではどんなことに苦労しましたか。

 

ソフトウェアとハードウェアの同時並行での開発と、特に初挑戦のMOS-FET(半導体)を用いた回路の設計に苦労しました。

 

 

■「ココは工夫した!」「ココを見てほしい」という点を教えてください。

 

手を抜いたところはありません。全てにおいて工夫しました。

 

まず、ソフトウェアでは、SSHという暗号化された遠隔操作技術により安全性と実用性を備えています。これにより、日常生活の習慣などを覗かれる心配は極めて低くなりました。

 

PWMという電力制御方式を使用し、電源のオン・オフだけでなく、電力の自由な調節も可能になっています。これにより、省エネ化の出来る範囲が広がりました。

 

UIではiOSライクなデザインにしています。これにより、誰でも直感的に使えるアプリケーションになりました。

 

タイマー機能も搭載しており、指定した時刻になると自動的に任意の動作をするようにしています。これにより、より効率的に省エネができ、利便性が高まりました。また、アプリケーションのアイコンはWi-Fiふうのマークとコンセントのマークで電化製品を表し、これらからIoTを連想できるようにデザインにしました。これにより、アプリケーションの認識が容易になりました。

 

これらすべてはUX(ユーザーエクスペリエンス)向上を実現するためのものですが、見えない所にもこだわりました。例えば、無駄な負荷を増やさないため、必要な時だけに通信をするという仕様にしています。

 

ハードウェアでは、Raspberry Pi Zeroを使用しています。これにより、小型で安価な製品を開発できました。外装は独自で設計し、植物由来のPLA樹脂を素材として3Dプリンタで製作しました。これにより、実用的なサイズにした上で自然環境に良い物を製作しました。MOS-FETというトランジスタを搭載する事により、Raspberry Pi Zeroで制御できる最大電圧である3.3Vを超える電圧を制御できるようにしました。これにより、幅広い電化製品を制御できるようになりました。

 

 

■今後「こんなものを作ってみたい!」「こんな研究をしてみたい」と思うことを教えてください。

 

魔法に憧れた人は多いはず。そのロマンと実用性は誰をも魅了します。

でも、残念ながら魔法の実現は不可能です。

でも、魔法のようなモノなら実現可能です。

なので、ロマンと実用性を兼ね備えた、魔法使いになった気分になれるウェアラブル端末を開発してみたいですね。そしたら、より楽しい夢のある日常生活を送れるかもしれません。

 

これからも、そのような魔法のようなモノを開発したいと考えています。

 

 

第83回情報処理学会全国大会中高生情報学研究コンテスト ポスター発表より

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