第84回情報処理学会全国大会 第4回中高生情報学研究コンテスト

山岳遭難者の救出にドローンを活用、視覚に頼らない捜索方法を確立した!

チーム名:多摩科技 ドローン研

 

松原健太郎くん、横山瑞季くん、山田爽太くん東京都立多摩科学技術高校 2年)

 

無線LANを用いたドローンによる遭難者救助の研究

 

近年、登山ブームによる登山者数の増加により、山岳における遭難者の人数は年々増加している。一方、山岳での遭難は携帯電話の電波が受信できず、外部との電波が遮断されてしまう。

 

また、従来のドローン搭載カメラでの捜索は、樹木などで視界が遮られ発見できない可能性がある。

 

そこで、本研究ではドローンを用いて、遭難者の携帯電話から発信されるWi-Fi電波を受信し、それをもとに広域に捜索するシステムを構築する。

 

視界が確保できない条件においてカメラを用いた方式では、要救助者を発見することはできないが、本研究では無線LANを用いることにより、指向性のない電波の受信状況から要救助者の遭難位置を大まかに特定する。

 

※クリックすると拡大します。

 

■今回発表した研究を始めた理由や経緯を教えてください。

 

1年生の時に、ドローンがテーマのオンラインシンポジウムで、ドローンと無線LAN を遭難者救助に活用できるのではないか、という意見を出したのがきっかけです。その後アイディアを発展させ、2年生の時、課題研究として始めました。

 

 

■今回の研究にかかった時間はどのくらいですか。

 

週3時限の「課題研究」という授業の中で進めました。研究に着手したのは2年生の5月ごろからで、授業時間以外にも休みの日に実験や検証をしてデータを集めました。まだ終わってはいませんが、12月ごろには研究が形になってきました。

 

 

■今回の研究ではどんなことに苦労しましたか。

 

初めの方は、どのように接続を確認し、記録するかの手法が決まっていなくて、環境を整えるだけで1学期まるまる使った気がします。(松原くん)

 

地元の公園で、実証実験で装置とデバイスとの接続可能距離を測定した際、園内をたくさん走り回ったのでとても疲れました。また、視認性・即時理解できるスライドデータを作成するのに苦労しました。(山田くん)

 

システムのソフト面を構築するときに苦労しました。最初は知識も少なく時間もかかって大変でしたが、資料を探し回って頑張りました。(横山くん)

 

 

■「ココは工夫した!」「ココを見てほしい」という点を教えてください。

 

費用面でも安く済むように、ハードウェアはなるべく既製品を使用しました。また、ドローンと装置を分離しているので、重量が許容範囲なら様々なドローンを使用できます。(松原くん)

 

装置を搭載するためのドローンがとても大きくかっこいいのでぜひ見て欲しいです!(山田くん)

 

内蔵Wi-Fiと小型のGPS 受信機で、装置一体をコンパクトになるよう工夫しました。(横山くん)

 

 

■今後「こんなものを作ってみたい!」「こんな研究をしてみたい」と思うことがあれば教えてください。

 

3 年での卒業研究に向け、効率の良いドローンの飛行経路の方も実験していきたいです。また大学では、デバイス間の通信についてより深く学びたいと思います。(松原くん)

 

雨天時の捜索を想定した場合、ドローンを飛行させるのは厳しいので、雨天時にも対応できるアプローチの仕方を考えたいと思います!(山田くん)

 

本研究は山岳をテーマにしましたが、それだけでなく、震災で生き埋めになってしまった方の捜索などに応用させていきたいです。(横山くん)

 

第84回情報処理学会全国大会中高生情報学研究コンテスト ポスター発表より

 

 

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