前田智大くんのMIT便り ~世界のトップ大学ってどんなとこ?


第6回 MITの教室めぐり~活動のタイプに合わせた様々な部屋を準備。でもホームルームはない!

前田智大くん (Electric Engineering & Computer Science 2年)


今回はいろいろな種類の教室について書いていきます。

 

日本の大学の講義室のような机はありません
日本の大学の講義室のような机はありません

まずは大講義室。正確なキャパシティーは分かりませんが、おそらく400人は入るのではないでしょうか。大講義室は、だいたいフレッシュマン必修の授業や、コンピューターサイエンスの人気授業によく使われています。大講義室でも、生徒はガンガン質問しています。

 

次に小さな教室。このような教室は、発展的な授業で少数の生徒しかいない授業や、大学院生が授業の補足として学生を教えるrecitationの場所として使われています。

 

Labと呼ばれている教室があります。と言っても、一般的な化学や生物のラボではなく、生徒がプロジェクトを通じて実際に手を動かして学ぶという意味でのラボです。ラボにもいろいろな形があるので、幾つか写真を通じて紹介します。

このラボはoptics、つまり光学の授業で使われるラボで、顕微鏡を作る授業に使われています。ラボには、レンズやCCDカメラ、レーザを含む光学関係の部品が15000以上もあるらしいです。ラボの授業が、この時間からこの時間までは空いているという指定があり、空き時間に勝手に作業をします。

 

この写真は電子工学の授業で幅広く使われているラボで、基本的に授業で使われる器具や、電子工学に欠かせないワイヤー、抵抗器、コンデンサー、オペアンプなどの基礎的な電子部品が揃えられています。このラボでは、授業によってスピーカーを作ったり、ECGシグナルを取ってシグナルプロセシングしたりといろいろなプロジェクトが行われています。

 

MITではいわゆるホームルームとなるクラスがありません。なので、例えば高校何年何組と言ったコミュニティはなく、人と仲良くなるのは、住む場所、取る科目、クラブやイベントが主です。正直、ホームルームという仕組みが恋しいです(笑)。これは大学に限ったことではなく、アメリカの高校もホームルームという概念がなく、学校では授業を取るというのがメインというのが一般的らしいです。

 

充実した図書館。「住んでいる」人もいる?

 

次に、図書館について説明します。とはいっても、MITの図書館はハーバードの図書館のように豪華ではないですし、声を出すと罪悪感に押しつぶされるような荘厳さ(笑)もないです。MITには6つの図書館があります。今回は2つだけ、僕のよく利用する図書館を紹介します。

 

まずは一番有名(?)なBaker Library。図書館が大きなドーム型となっており、中央の勉強スペースは開放感に溢れています。だいたい半分ほど真面目に勉強し、半分ほど寝ています(笑)。この図書館はエンジニアリング関係の本を置いており、グループでの勉強スペースもありますが、全体的に暗い印象があります。


次に、Hayden Library。この図書館では人文学、科学系の本が置かれています。Baker Libraryと違い、川沿いにあるので、全体的に明るいので、僕はこの図書館をよく利用しています。

 

MITの図書館は本を借りる場所というよりも勉強する場所という印象が強いです。実際、論文などのリサーチをする場合、MIT Libraryのウェブサイトに行って検索するとだいたいダウンロードできてしまうので、実際にLibraryに行って調べ物をするということは少ないです。ちなみに、昔に大学院生で、住む場所を持たずに、ジムでシャワーをあびて、図書館で寝ていた人がいたらしいですが、あくまで逸話なので真偽のほどはわかりません(笑)。

 

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