世界へ”FLY”する東大生19

世界へ”FLY”する東大生

～入学して即休学　世界の幼児教育を取材する旅へ

登阪亮哉くん（東京大学）

第19回　ニューヨークで「人種のサラダボウル」を実感

11月の上旬に、アメリカ最後の滞在地であるニューヨークにたどり着きました。

ニューヨークはウォール街に代表されるようにアメリカの、そして世界経済の中心地であり、街の中央には大きなビルが立ち並んでいます。人がとても多く、移動のための地下鉄が整備されていました。ニューヨークの地下鉄と言えばかつてとても治安が悪かったことで有名ですが、今はかなり安全なようです。駅ではよくストリートパフォーマーによる楽器の演奏が見られ、人々は当たり前のようにチップを払っていました。

ニューヨークはお金が集まっているため、世界中から様々な人が集まっているのですが、それらが文化的に融合しているわけではありません。チャイナタウン、リトルイタリー、黒人街など、人種に応じて棲み分けが行われています。これを「人種のサラダボウル」と呼びます。高校地理を勉強してこれらの知識は持っていたのですが、実際に行ってみると言葉以上にはっきりと生活が違うことがわかります。

チャイナタウンでは、現地の人々どうしの会話は中国語で、街の看板も中国語がメインでした。中国風の商店で学校帰りの中国人の子どもが中国のお菓子を買い食いしている風景を見た時は、自分がニューヨークにいることが信じられなくなりました。見た目や言葉だけでなく、経済的にも独自の生態系を持っているようで、ニューヨークの他の場所に比べて飲食店の価格がかなり安いことが多かったです。

また、チャイナタウンはリトルイタリーと隣接しているのですが、最近は中国系の移民が多いため、に徐々にリトルイタリーが侵食されているようです。実際に、1階はイタリアンジェラートのお店なのに、ビルの看板には中国語が書かれている、といった風景をよく目にしました。

もう一つ印象に残っているのは、美術館の質の高さです。MoMA(Museum of Modern Art)という美術館には世界中の近・現代アートが展示されています。詳細な解説も書かれており、難解な世界の一端に触れることができます。また、メトロポリタン美術館には時代や場所を問わず多くの美術作品がとても見やすく展示されており、とても1日で回りきることができません。個人的には、西洋の調度品とオセアニアの壮大な像に特に心を奪われました。