やりたいことをやってもいいんだ!

オーストラリアを旅してみつけた自分の道

-高校4年生・新造真人のオーストラリアの旅記録 vol.6-


100kmカヌーの旅

砂漠と広大な空、求めていたオーストラリア像
砂漠と広大な空、求めていたオーストラリア像

<一話目>4月1日のホストチェンジ。広大なオーストラリアへ

2013年の初め、オーストラリアでの新生活がスタート。

 

初めての海外なのか、鮮やかで、そして鈍い憧れを抱えていた。外の世界とは、そして、広大なものだと夢見ていた。

 

その広大な土地への幻想(憧憬?)は、4月に現実のものになりました。オーストラリアの(少なくとも僕の通った)学校は四学期制。日本と同じようにそれぞれの間に長期休暇があります。トロピカルアイランドと呼ばれる地域に住んでいたから、毎回それは夏休み。マンゴーアイスが美味い。はい、めちゃうまっ!

 

最初の夏休みの訪れと同時、4月1日(!) にホストチェンジ (お世話になるホストファミリーを変更) し、新しくクルーシャン一家のもとへ。

 

「明日から一週間カヌーで100kmの旅に出るわよ」と新しい母親ジャッキーから。

 

冒険とは、こんなにも突然に始まるんですね・・・。日にちも日にちで、多少の疑いを持ちながら(笑)、翌日からの旅の準備に、そして、眠りにつきました。

 

カヌーで100kmの旅が始まる

翌朝、鳥の鳴き始める頃に町を出発。ホストファザー・マザー・ブラザー・僕(マック)の四人。

 

二人乗りのカヌーが二つ。着替え、食料、テントの衣食住を詰め込み、ちょっとした秘密道具etcをその中に。川の水上にカヌーを運び出した時、水飛沫とともに「あぁぁあぁぁ。これから始まるんだなぁ・・・!」と、不安や期待や好奇心etc・・・。カヌー100kmの冒険、オーストラリア大自然の体験が幕開けです。

 

こういったアドベンチャーな難所もありました
こういったアドベンチャーな難所もありました

この一週間は忘れられないものに。人生の中でもホントに貴重な体験です。

 

<二話目>夏は夜。月の頃はさらなり

鳥の声と、ギラギラの太陽が朝の訪れにあります。水に飛び込み顔を洗い、柔らかい光の中での朝食です。その後、船上からの空を眺める。

 

水面の波紋に魅了され、気分の良い頃合いでランチに。器などは浜辺の水や砂(!) で洗い、その後は各自ほのぼのとした時を。昼寝をしたり。水を浴びたり。本の世界へ。

 

「夏は夜。月のころはさらなり」

 

夜は好きな静かさです。日の高いうちに、カヌーを川辺にあげ、テントを設営して寝床を確保します。薪を集め、みなが火の周りに集います。ディナーの後はいつもティータイムがあって、イギリスとアメリカからの文化を感じた気がしました。深呼吸がしたくなる満天の星空の下、ねむりへ。天の川が裸眼でみられることは、初めて知りました。

 

静かさが響く夜
静かさが響く夜

兄弟で一つのカヌーの上で

出会って二日目に冒険に出たので、ホストファミリーとの関係はぎこちない。ただ、一日中彼らしかいないガチ大自然の中、二人乗りカヌーです。仲良くならざるを得ない。沢山質問をし合い、たわいもない話をする。すぐに英語のダジャレにも反応できるように(笑)。

 

一緒に乗っていたのはホストブラザーのジョーディー。彼とはキャンプ二日目くらいに、カヌーの上で水をかけあってキャッキャッしてる際、ぽろっと下◯タ発言をして、一気に打ち解けました。単純でいいなーと心から思いました(笑)。それからは日々が加速して、僕の英語の上達も素晴らしかった。

 

性格以外はめっちゃイケメンのホストブラザー
性格以外はめっちゃイケメンのホストブラザー

彼は、足は臭く、めちゃくちゃワイルドな漢でした。MTBやスカイサーフィンを乗りこなして、サッカー、アーチェーリー、トランポリン、ラグビー、ポテトロケットetc・・・。スポーツ万能のオープンスケベです。その彼はディアボロという曲芸を教えてくれました。難しいけど、技を覚えるとどんどん楽しくなって、暇なときはずっとコマ回しをするほどに。

 

ファンキーな回しごま、新しい趣味が増えていく
ファンキーな回しごま、新しい趣味が増えていく

そんなわけで、愉快で静かな時間はゆっくりと流れていきます。

もう少しでホントに悟れるんじゃないかと思いました(笑)。

 

<三話目>誰一人として世界の主人公じゃない

キラキラ揺らめく水の上、カヌーに体の行き先を任せて空を眺めると、多様な空の色を見つけました。「朝焼けと夕焼けがやっぱり好きだな、自然っていいな」、様々な言葉が泡沫のように浮かんでは消えます。

水遊びは必ずムキになります
水遊びは必ずムキになります

冒険を始めて数日が経ち、なんだか落ち着き始めます。馬鹿らしくも「あと一ヶ月もあれば悟れるかも(笑)。」と思うほどに、それほどに。呼吸を止めて、一週間前まで過ごしていた町を想像します。僕が不在でも、その世界は当たり前に続いているはず。人ひとりの影響する範囲なんて取るに足らない。僕が訪れた町は、国は、土地はずっと前からここにあったんだなぁ。自分は、自分の人生の主人公だ。けれども、誰一人として世界の主人公ではないかもしれない。

 

電波が繋がらない中にいると、話しかける相手は圧倒的に自分自身になります。そんな中、旅中に書き取った日記。その一部を下に載せました。「なんだ、この人?」と思うかもしれませんが、そうしてまで文字に残したかったのだと感じます。

 

早朝、つい両目を向ける川辺
早朝、つい両目を向ける川辺

—某月某日

たなびく雲は 空の織物のようで

秋は夕暮れ、というように 空には幾重にも赤。青。黄。紫と。

色達が、空から落ちてこないかと心配をするほどだ。

 

星の成る木に囲まれて 夜の訪れを知り

朝は美しい。

此方から朝が来るのかと

空が青白く色気づき始める。

 

—某月某日

10ほどか それ以上か

多くの数の それほどの鳥たちの声が協和音を

どうにか なぜだか 導いて

「朝の唄」はとても心地がいい

 

—某月某日

毎日ゆめを見る

夢見ることは 深層意識の旅だ。

 

なぜだか 何だか 世界のルールを知っている

心残りの種が それが 決着がついた

そうなるしかなかった 最大値は満たしていた。

 

帰ることのできた 頭の中の過去はそれは素敵ではあったけれど

心の中で種と成って 育ち やっと実を結べた。

 

—某月某日

そそくさと キャンプに出かけた。

そういった始まりではあったけれど

 

体の中身の循環と 自分がいなくても 日本にも勿論この国にも影響をもたらさない

その循環とを重ねられたのが 否応にも 嬉しかったな

 

—某月某日

ぷぅかぷか ぷぅらぷらと ぴったりと身に染みた8日間。

言葉にであい 毎日夢を見た。

 

目を瞑ると、波に揺られる。

目を瞑ることは、波に揺られる。

 

真夜中に目が覚めた、おとぎ話が始まりそうだった
真夜中に目が覚めた、おとぎ話が始まりそうだった

新造真人/Makoto Shinzo
Web: http://mrmakotos.wix.com/ffff

みんなに読んでもらおう!! 

↓Facebookでシェア


わくわくキャッチ!
今こそ学問の話をしよう
河合塾
ポスト3.11 変わる学問
キミのミライ発見
わかる!学問 環境・バイオの最前線
学問前線
学問の達人
14歳と17歳のガイド
社会人基礎力 育成の手引き
社会人基礎力の育成と評価