やりたいことをやってもいいんだ!

オーストラリアを旅してみつけた自分の道

-高校4年生・新造真人のオーストラリアの旅記録-


vol.7 「落書き」が展覧会へ

Aidan君の似顔絵、似せる気は皆無
Aidan君の似顔絵、似せる気は皆無

【1話】美術展に選ばれました in Australia

よくわからぬうちに、僕はオーストラリアの展覧会に出させていただくことになりました(笑)。

 

2013年5月、Artの先生であるMr.Crawleyに「落書き帳を渡しなさい。」と言われ、すごすごと渡したのがきっかけでした。

 

そして翌週、ゴッホ似のその先生に「いい調子だよ」と話しかけられ、何のこっちゃと思っているとこんなメールが届きました。

英語びっしりの文面がメールボックスにいたのです。
英語びっしりの文面がメールボックスにいたのです。

「よくわからんけど、なんか受かった俺!!」

 

説明を致しますと、「日々の作品作りのアイディア(落書き)をみんなとシェアしよう!」という趣旨の展覧会があり、僕は選考をいつの間にか突破しました。毎年、熱帯地域の学校を集め企画しているらしく、20人のアーティストの1人として参加できることに。嬉しいような、よくわからないような・・・(笑)。

 

こういった落書きは、授業中の積み重ね
こういった落書きは、授業中の積み重ね

ただ、この展覧会のおかげでCairnsという大好きな町に行くことができます!僕はAthertonというドラクエの始まりの町に住んでいる田舎者(笑)。なので、(2時間車で山を下り)都市に出るのは楽しみ。日本食がありますし!

 

今回の展示会では、幾つかの作品とアイディアを展示させていただくことになりました。オーストラリアに来て、自分がアーティストとして関わる最初の機会&経験。唯一の日本人として参加することは誇らしく、勝手に国の代表になった気でいました(笑)。こういった機会にもっと挑戦していきたいなぁ。

 

【2話】何語だろうと、なんとしてでも伝える

この展示会では、出展だけでなく展示にも関わりました。作品を並べるのを手伝うだけでなく、経験とARTに対する考え・知識をフル活用しました。「作品をどこに、どのように配置するか」そういった作品を生き生きさせるための方法を考え、それについて(英語で)ディスカッションします。半年前は日常会話もろくに出来なかったのに・・・今は英語で仕事(?) までしちゃってる (留学ってすごい・・・!)。

この大きなギャラリーが展示会場、準備はこれから始まる
この大きなギャラリーが展示会場、準備はこれから始まる

例えば、作品を淡々と一列にならべるのではなく、斜めに配置して流れを作る。彫刻作品の土台の周りに土を敷いて存在感を出す。英語が下手くそでも、伝えたいという意思が相手に伝われば、こちらに熱心に耳を傾けてくれる。言葉が難しければ、イラストで伝えれば良い。「俺は英語を喋りに来たんじゃない、作品をよりよく生かす手伝いをしに来たんだ」。大変だったけど、アイディアが採用された時は本当に嬉しかったです。

価値あるアイディアは次を繋げる

そしてこの経験を通して、新しい作品のアイディアを授かりました。Lauraという中国人の友達の作品がヒントに。彼女は、撮影した風景写真をパソコンで加工して一つの丸にする。それだけじゃなく、今度は写真を印刷したのをサッカーボールに貼付ける(下の写真)。既存のモノから全く新しいイメージが生まれる。他にも、何人もの写真を組み合わせポートレイト写真など、彼女からも彼女以外からも素敵なアイディアをみせてもらいました。

「Lauraの作品をどうやって、展示していこうか」
「Lauraの作品をどうやって、展示していこうか」

そして、Lauraにインスパイアされて作り始めたのが下の作品。アイディアはとてもシンプル、ただ四枚の写真を組み合わせる。同じ場所から一つの対象を、カメラを傾けて撮影した別々の写真たち。まだまだ荒い部分はあるけれど、自然の美しさや色の面白さがわかりやすく表現できるのではないか。そう可能性を感じています。

「自分の町Athertonから眺める夕日」赤く青く燃えている
「自分の町Athertonから眺める夕日」赤く青く燃えている

【3話】いつのまにか参加した展覧会

2013年6月6日。ついに、展覧会「PART OF PROCESS」が当日を迎えます!

 

オープニングパーティーもあり、本当に多くの人が来てくださっていまして・・・僕はずっとそわそわしていました(笑)。この頃になると、言語の違いによるひとりぼっち感は薄くなっていて、当たり前の様に英語を使っていましたが・・・。

オープニングセレモニーの様子、めっちゃ人いる・・・
オープニングセレモニーの様子、めっちゃ人いる・・・

いろんな人がお洒落にチーズぱくぱくしながら、会場の作品を見て回っています。もちろん自分の作品も展示してあるわけで、恥ずかしいなと思いながらも「ちゃんてみてくれるかなぁ・・・」と不安と期待は常に相席していました。

 

また、自分が展示を手伝わせていただいた作品の作者と話をしました。「なぜこの作品をつくったのか?」。そういった話を直接聞くことで、今までつかみ所のなかったアートや外国といった世界が、ものすごく身近に感じられました。

予測出来ない出逢いがある

自身の作品展示の風景
自身の作品展示の風景

この上の写真が、僕の作品展示の風景です。テーブルの上にスケッチを何枚か置いて、それを白い布袋をはめて自由にみてもらう様にしました。また、パソコンで写真のスライドショーを流しました。ただ壁に貼付けるのでは面白くないと考え、観覧者と物理的な距離を0に近づけようとしました。作品展示を手伝ったおかげか、良い場所を使わせていただき、多くの人の目に触れることが出来ました。

作品展示の風景、落書きやら写真が散乱している
作品展示の風景、落書きやら写真が散乱している

自分の作品について、自分の事を全然知らない人達が、流暢な英語でお話ししている・・・。なんとも言えない気恥ずかしさがありましたが、堂々としていられました。心から楽しかった。

 

今思えばこんな機会に恵まれるとは、予測できませんでした。いつの間にか参加することになった展示会 (笑)。Artの先生に感謝。わざわざ往復車で3時間の街Cairnsまで僕を送ってくれるホストファミリーに感謝。外国での初展示という、そもそもの機会を与えてくださったこの留学。関わってくれた全てのご縁に感謝しなければなぁ。そう自然に思えるくらいに、とても楽しい時間でした。

 

留学をしているからか、運だとか、縁だとか、努力だとか。そういった言葉や考えが身に染みる出来事が多かったような気がします。

 

ホストファザーと坊主の記念撮影
ホストファザーと坊主の記念撮影

新造真人/Makoto Shinzo
Web: http://mrmakotos.wix.com/ffff

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