模擬国連 優秀賞受賞校インタビュー

child laborに関する論文は事前に全て読んだ。それが自信に

◇最優秀賞 

渋谷教育学園幕張高等学校Aチーム

[エチオピア] 
板垣奈恵さん(2年生・写真左)、

高佐綾菜さん (1年生・写真右)

 

決議案作成の中心的な役割を果たすとともに、粘り強く他の国と交渉し、成果文書の採択に尽力したことが高く評価されました。

*最優秀賞に選ばれた感想をお願いします。

 

板垣さん)
一人では絶対ここまで来られなかったと思います。高佐さんにも、先生にも友達にも親にも、まわりのすべての人に支えてもらったことに、心から感謝しています。


高佐さん)

私もみんなに感謝しています。本大会に備えて調べ物をしている間も、まわりの人が「できることなら何でも手伝うからね!」と言ってくれて、本当にうれしかったです。

 

*今回の大会に参加するにあたって、たいへんだったことや、それに対して工夫したことを教えてください。

 

高佐さん)

本当に調べることが多くてたいへんでした。どんなに調べても自分は何もわかっていないんじゃないか、と不安でした。

 

とりあえず、自分達で決めていたのは、「紙の使用量は気にしない」ということ。基本的に「child labor」に関する論文は全て検索して打ち出して読みまくりました。A4の大きなファイル4~5冊分になったでしょうか。コピー代も紙代も、親に申し訳ないことをしました!   でも、その紙があることで、「少なくともこれはやったんだ」という自信になりました。


板垣さん)

調べてみてわかったのは、インターネットの情報だけでは限界があるということです。だから、親や先生に教えてもらった政治や経済関係のの本や雑誌など、信ぴょう性のある情報をいろいろ読んで、特にエチオピアの歴史やこれまでの児童労働のあり方について勉強しました。
   

*準備はどのくらいの期間したのですか。

 

板垣さん)

学校内で出場者の予選があったので、夏休み中はその準備をして、9月上旬に出場が決まり、本大会の出場が決まったのが9月の中旬でした。でも、エチオピアの代表と決まったのが修学旅行中で、「えーっ、1週間準備できない!」って、あれはあせりました。エチオピアになるとは思わなかったんですよ。希望で出したのはブラジル、ケニア、カンボジアでしたから。

 

*出場するには、英語は相当できないとダメじゃないかと思いますが、実際はどうですか。

 

高佐さん)

私は9歳から12歳までオーストラリアにいましたが、英語ができる・できないにかかわらず誰にでもできると思います。ただ、英語ができると事前のリサーチでたくさんの英文の文献を読むのは有利かなと思います。


板垣さん)

私は6歳から12歳までアメリカとイギリスに住んでいました。決議案を書く時に、英語が書けるから任された、というのはあると思います。でも、大事なのは英語より内容だと思います。帰国子女の人がいない学校も毎年出場していますし、頭の中で自分達の国の政策をよくわかった上で、他の国の意見を聞いて、まとめることが一番大事だと思いました。

 

左から、板垣さん、みらいぶ特派員鈴木くん、高佐さん
左から、板垣さん、みらいぶ特派員鈴木くん、高佐さん

*将来について教えてください。

 

板垣さん)

私は、医者になりたいと思っています。模擬国連で、「貧困」がテーマだった時も、医療の問題が大きいことを見ていたので、「お金がないからきちんとした医療が受けられない」ということを社会からなくしていきたいと思っています。また、テレビのドキュメンタリーなどでアフリカなどの貧困地域の医療に携わる医者の姿を見て、あのような現場で社会貢献できるようになりたいと思っています。


高佐さん)

今まで高校生の自分なんかでは何もできないと思っていましたが、今回の経験で人って本当にすごい、ということがよくわかりました。世界で起きていることは他人事じゃない。自分も何かできる人になりたい、と思います。

 

「理想の大使」像を追求したい

◇優秀賞

大阪教育大学付属高校池田校舎Aチーム

[モロッコ]

中村詩音さん(2年生・写真右から4人目)、

山田修平君(2年生・右から5人目)

 

グループ内をまとめあげるための発言や行動と、粘り強い交渉力が高く評価されました。

 

*出場しようと思ったきっかけを教えてください。

 

中村さん)

学校では、ユネスコ部に入っています。小学校6年生までアメリカにいたこともあって、国際関係にはずっと興味を持っています。ほとんど趣味の領域でしょうか(笑)。

 

*「粘り強い交渉力」が評価されていましたが、自分でも意識していましたか。

 

山田君)

ぼくも小4から中1までアメリカにいたので、議論することは好きですが、「粘り強い」と「しつこい」は紙一重だと思います。相手を説得するためには、相手の様子を見て「こんなことを思っているんだろうな」と考えながら、こちらの意見を出していくのが大事だと思います。そういうメタメッセージみたいなところは、日本の方がうまいと思います。優秀賞はまだ信じられなくて、涙が出るより自分の心臓の音が聞こえるくらいドキドキしています。

 

*何が大変でしたか。

 

中村さん)

児童労働という議題において各国が提案する政策の特徴を見極めることに苦労しました。各国の産業構成、教育環境、経済状況などを分析し多角的な視点からこの問題を捉えることでなんとか推測をしました。

 

山田君)

表面上はシンプルで説明しやすいことと、表面下では奥深いリサーチに基づき説得力があること。この二つの要件を両立させた政策立案にとても苦労しました。

 

*世界大会へのお2人の意気込みを聞かせてください。

 

山田君)

全国の高校生達と戦えた貴重な経験をもとに、世界の高校生達と競い合うという次の挑戦に挑みたいと思います。また、次の議題が発表されるまで、国際法の歩みなど、議題にとらわれることのないマクロな観点からリサーチがしたいです。

 

中村さん)

2012年、2013年と2年連続全国大会に同じペアでの出場を果たし、会議を積み重ねてきたおかげで、お互いの長所を発揮する方法を見出すことができてきたので、世界大会でも周りに圧倒されることなく、私達ならではの会議行動を実現させたいと思います。そして残された時間の中で、私なりの大使としてどうあるべきかという「理想の大使」像を追求していきたいです。 

 

 

中国はラッキー。大量の情報を多角的に整理して臨んだ

◇優秀賞 

灘高等学校Aチーム [中国] 

村田幸優君(2年生・写真右)、

小坂真琴君(1年生・写真左)

 

行動力と、他の国に対して決議案へ賛成を求める説得力、そして判断力が高く評価されました。

 

*1年生と2年生、初出場でいきなり代表とはすごいですね。ずっと目指していたのですか。

 

小坂君)

中学校の時から出場したくて、去年はこの会場に見にきました。今回は校内で7-8人の出場希望者の予選を通過して、出場しました

  

*「行動力」が高く評価されていましたが、どんなところを意識したのですか。

 

村田君)

行動力にはあまり自信はなくて、特に1日目のグループ形成のような場で自分から働きかけていくようなことは苦手なんです。でもそこはやるしかないと思って、最低限やれることはやりました。そこまで評価してもらえたのはうれしかったです。

 

自分は、学校でディベート部の部長をしていて、2日目の決議修正案を作るような説得や交渉は得意なので、そこは羽を伸ばしたというか、気持ちよくできました。

 

*児童労働の問題で中国の代表というのは、難しくなかったですか。

 

小坂君)

いや、逆です。最初から中国は第一希望だったのでラッキーでした。中国は手に入れられる情報が多いので、できるだけたくさんの情報を集めて、いろいろな角度から整理して準備しました。それがあったので、交渉する時に様々なカードが持てたと思います。

  

 

出場チーム(順不同) 51校65チーム

お茶の水女子大学附属高等学校、ラ・サール高等学校、芦屋国際中等教育学校、浦和第一女子高等学校、鴎友学園高等学校、鴎友学園女子高等学校、岡山龍谷高等学校、海陽中等教育学校、開成高等学校、開智高等学校、関西学院千里国際高等部、京華女子高等学校、京都外大西高等学校、京都市立西京高等学校、玉川学園高等部、桐蔭学園中等教育学校、桐光学園高等学校、桐朋高等学校、慶應義塾湘南藤沢高等部、古川黎明高等学校、公文国際学園中等部高等部、広島女学院高等学校、高水高等学校、札幌聖心女子学院高等学校、実践女子学園中学校高等学校、渋谷教育学園渋谷高等学校、渋谷教育学園幕張高等学校、順天高等学校、昭和薬科大学附属高等学校、新潟明訓高等学校、神戸女学院高等学部、成蹊高等学校、聖光学院高等学校、聖心女子学院、西大和学園高等学校、静岡雙葉高等学校、仙台二華高等学校、早稲田大学本庄高等学院、大阪教育大学附属高等学校池田校舎、大阪星光学院高等学校、筑波大学附属駒場高等学校、朝日塾中等教育学校、灘高等学校、南山高校、函館ラ・サール高等学校、不二聖心女子学院高等学校、福岡女学院高等学校、麻布高等学校、名古屋国際高等学校、六甲高等学校、茗溪学園高等学校、頌栄女子学院高等学校

 

国名リスト 65カ国

1. インド  2.インドンシア共和国  3.イラク共和国  4.イタリア共和国 5.日本国 6.ヨルダン・ハシミテ王国  7.ケニア共和国  8.ラオス人民共和国  9.マリ共和国  10.メキシコ合衆国 11.Mモンゴル  12.モロッコ王国  13.ミャンマー連邦共和国  14.ネパール連邦民主共和国 15.オランダ王国  16.ニジェール共和国  17.ナイジェリア連邦共和国  18.ノルウェー王国 19.パキスタン・イスラム共和国 20.ペルー共和国  21.フィリピン共和国  22.大韓民国 23.ロシア連邦  24.サウジアラビア王国  25.ソマリア民主共和国 26.南アフリカ共和国 27.スぺイン 28.スウェーデン王国 29.タイ王国  30.トルコ共和国  31.ウガンダ共和国 32.ウクライナ 33.グレートブリテン・北アイルランド連合王国  34.アメリカ合衆国 35.ベネズエラ・ボリバル共和国  36.ベトナム社会主義共和国  37.イエメン共和国  38.アフガニスタン・イスラム共和国 39.アルバニア共和国 40.アルゼンチン共和国 41.オーストラリア連邦  42.バングラデシュ人民共和国  43.ブータン王国 44.ボスニア・ヘルツェゴビナ 45.ブラジル連邦共和国 46.ブルキナファソ  47.カンボジア王国 48.カメルーン共和国  49.カナダ  50.チャド共和国  51.中華人民共和国  52.コロンビア共和国 53.コートジボワール共和国  54.キューバ共和国 55.朝鮮民主主義人民共和国  56. コンゴ民主共和国  57.デンマーク王国  58.エジプト・アラブ共和国 59.エルトリア国 60.エチオピア連邦民主共和国 61.フランス共和国  62.グルジア 63.ドイツ連邦共和国 64.ガーナ共和国  65.ギニアビサウ共和国

 

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