自分らしく生きて、社会を変える

女子力アップセミナー

第3回

ウガンダで親を失った子どもたちをサポートするフリーアナウンサーの永谷裕香さんの「女子力」


[お話する人] 永谷裕香 (フリーアナウンサー、NPO「ムクワノ」代表)

[インタビュアー] 東京女子大学大学院文学研究科院生 松紀枝、橋本実季
         高校生 つじみき

2013年3月7日。3月15日に、永谷さんは2人目の子どもを出産されました。

(3)外見は、内面が輝いてこそ―自分への自信と相手への尊敬

---アナウンサーは常に外見に気を使うお仕事だと思いますが、気を付けていたことはありましたか。

 
永谷:そうですね、視聴者の方からのご指摘が結構ありますから、外見には気を使っていましたね。社内ではいつも、「君は私人ではなく公人だと思いなさい」と言われていました。「見かけも大切」とか、「第一印象は見かけから決まる」と言われていましたね。なので、入社当時はメイクを習いに行きました。始めの2年間はメイクさんがついていなかったので、自分でメイクしなくてはいけなくて。メイク教室に通って自分に似合う色を見つけたり、眉毛の書き方とかを習ったりしました。眉毛に関しては、「右の眉と左の眉の形が違う」と視聴者の方からご指摘いただいたことがあったので、すごく熱心に勉強しました(笑)。どうしても、見かけとかを気にして自然体に振る舞うのって難しい時があったりするけれども、でもなるべく自然体を心がけて仕事をしていましたね。

 

---永谷さんは様々な国へ行かれて多くの方との出会いを経験されていますが、目指している女性像はありますか?

 
永谷:具体的にここの国のこの人がというのは全くなのですが、いろいろなことを経験されて、ある道を究めている人はすごく素敵だなと思います。内面がすごく素敵な人って、接していてもすごく素敵だし、外見もすごく輝いているなと思いますね。そういう人は自分に自信を持っていると思います。だけど、だからと言ってそれをひけらかすのではなくて、謙虚な部分もある方っていうのはなんかいいですよね。すごく素敵だなと思います。外見を磨くっていうことも大事なのかなと思うけれども、やはり女性としてというより、人間として魅力的な人になりたいですね。自分もまだまだ未熟だなと思うので、だから人間として魅力的な人になりたいなと思っていて。そのために本を読んで素敵な言葉をどんどん蓄えたり、会った人の素敵なところを見つけたりして、素敵な人になっていきたいと思いっています。

 

---恋愛について伺わせてください。永谷さんにとって理想の男女関係、夫婦関係はどういうものでしょうか?

 


永谷:理想の関係は、嬉しいことがあった時にその嬉しいことが2倍、3倍になって、悲しいことがあった時は、悲しみや苦労が半減するような関係かなと思っています。それでも、実際は、私と主人もケンカをすることがあります。私の夫はアメリカ人なので、育ってきた文化と環境はそれぞれ違う。でも、違う価値観や環境をそれぞれ認め合う、尊重し合うことは大事かなと思っています。それは、日本人同士でも同じですよね。


私の主人は、初め全くアフリカに興味がなかったんですけれど、私が話している中で「行ってみたい」となって、一緒に行きました(笑)。そしたらすごくアフリカを好きになって、新婚旅行もタンザニアで、現地の村を訪問したりしてアフリカを満喫しました。アフリカには何かわからないけれど、また行きたいと思わせる不思議な魅力があると思いますね。アフリカの諺に「アフリカの水を飲んだ者はアフリカにまた帰る」というのがあるんですよ。そんなふうに取りつかれたのかな(笑)。

 

---仕事をしながらの育児はたいへんではないですか?

 
永谷:たしかに子どもが病気になったりするとたいへんなこともありますが、子どもの成長って、ほんとに一瞬一瞬で、どんどん変わっていくからすごく楽しいなと思います。特に長女が今2歳でしゃべり出したばかりなので、楽しくて、楽しくて(笑)。

 

---永谷さんはいつもご自分が楽しいと思うことに取り組んで、しかもそれをちゃんとこなしている印象なのですが、今後はどの様なことをしたいと考えていますか?
 

永谷:今後もアフリカと日本の距離が縮まるような、アフリカと日本の懸け橋になれるような活動をしていきたいと思っています。昔から好きな言葉が「一期一会」で、人との出会いを大切にしたいなと思っているのですが、ムクワノも福岡のアナウンサー時代に親しかった人やウガンダで出会った人と協力し合ってみんなで頑張っているので、これからもそういった形で生涯に渡ってアフリカと関わっていきたいなと思います。あと、私の子どもにもいずれアフリカ大陸に足を向けて欲しいなというのもありますね。語ると夢が広がっていきますね(笑)。

 

左から つじみき、永谷さん、松さん、橋本さん
左から つじみき、永谷さん、松さん、橋本さん

プロフィール

永谷裕香(ながたに ゆか)
フリーアナウンサー、NPO「ムクワノ」代表

 

1977年東京都出身。東京女子大学現代文化学部言語文化学科(当時)卒業後、テレビ西日本に入社し「TNCスーパーニュース」や「ももち浜ストア」のキャスターを務める。退社後、約1年間にわたって東アフリカ・ウガンダ共和国の小学校で教壇に立つ。その後、TBS「ニュースバード」などでキャスターとして活躍。フリーになってからアフリカのエイズ孤児支援の活動を開始し、 一方、東京大学大学院総合文化研究科で人間の安全保障修士号、ブラッドフォード大学(イギリス)でアフリカの平和と紛争学修士号を取得。2006年、友人と共にNPO MUKWANO(ムクワノ)を発足。ウガンダで親を失った子どもたちの安全と生活を守り、自立をサポートしている。

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