雪解けの春に、炎天下の真夏に、逃げ水の謎を追いかける

青森県立青森南高等学校 自然科学部

発表した西野真由さん(左)、川口世理香さん(右)
発表した西野真由さん(左)、川口世理香さん(右)

◆部員数 31人(1年生9人、2年生6人、3年生16人)

◆答えてくれた人 川口世理香さん 3年生

 

■研究内容 「逃げ水~完結編~」

乾いた道路の路面温度と大気の温度差が大きくなると、路面近くの空気が膨張して密度が小さくなるため、光が屈折・反射を起こし、遠くが濡れているように見えます。その現象「逃げ水」について調べました。

逃げ水は、路面と大気の温度差が大きいほど広範囲に発生し、路面の傾斜や凹凸の影響をも受けて発生します。これまでの研究では、逃げ水の発生しやすい条件や一日の変化について観察してきました。今年は、逃げ水の見えやすい条件を測定から導き出し、逃げ水の発生から、路面の凹凸や傾斜の変化を推測することに取り組みました。


■研究を始めた理由は?

 

学校周辺に直線道路があり、登下校時や天気の良い日に路面がぬれたように見える現象に興味を持ち、研究することにしました。

 

■今回の研究にかかった時間はどのくらい?

 

平成23年度から研究を開始して、天気の良い土日を中心に観測を行い、平日を中心にデータ処理をしました。一回の観測時間は、2時間~4時間程度ですが、一日の変化を見るような長い観測ときは朝から夕方までおこないます。

 

■今回の研究で苦労したことは?

 

夏の暑い日に長時間にわたって観測するため、暑さ対策が最もたいへんでした。また、交通量の少ない直線道路を見つけることにも苦労しました。

 

■「ココは工夫した!」「ココを見てほしい」という点は?

 

・工夫した点:2本のアクリルパイプをホースでつなぎ、2点間の水位の差から路面の凹凸や傾斜を測定できる装置を手作りした

・見てほしい点:路面と光の経路のなす角を求めて、逃げ水が発生している場所と発生していない場所の角度の違いを求めたこと

 

■今回の研究にあたって、参考にした本や先行研究は?

 

『蜃気楼はどうして起きるのか』A.B.フレーザー、W.H.マック(日経サイエンス)

『理科年表平成24年』国立天文台編

 

■今後はどんな研究をしていきますか?

 

光の屈折について研究を続けていきます。逃げ水については今回でひとまず終了し、これからは水溶液での光の屈折と反射について調べていきたいと思います。水中の物体が見える角度・見えない角度についても調べています。

 

■ふだんの活動では何をしていますか?

 

自然科学部は、地学分野・物理分野・化学分野の3分野の研究をしています。地学分野では、「空の明るさや色」について、物理分野では「光の屈折と反射」について、化学分野では「雪のpHや含まれている物質」について研究しています。

 

■総文祭に参加した感想を教えてください。

 

全国の選ばれた発表を見ることができたこと、また生徒交流会を通して多くの高校生と接することができる機会を持ち、他県の友達ができたことがたいへん嬉しいです。

 

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