グローバルで行こう vol.5

外国人留学生数日本一の大学が設置した国際教養学部。考えを英語で発信できる力と国際感覚を身につける

早稲田大学 国際教養学部(SILS(School of International Liberal Studies)Waseda University)

早稲田大学は、従来より国際交流を活発に行い、国際色豊かな研究・教育が行われていることが特徴でしたが、より一層のグローバル人材育成に向けた取り組みとして、「国際教養学部」を2004年に設置しました。

 

国際教養学部が目指す人材像は、世界規模の問題に意欲的に取り組む高い志と倫理観、国際競争力、そして人間的魅力を備えた世界へ羽ばたく「地球市民」。その育成のため、以下の2つのコンセプトを重視しています。

 

(1)少人数指導の下で基礎的な教養を磨くとともに、 多元的な視点、論理的思考を養うことに重点をおいたリベラルアーツ教育


(2)海外からの学生を積極的に受け入れ(全学生の1/3は留学生)、学部での共通言語を英語とし、 日本語を母語とする学生には1年間の海外留学を必修とするなど、日常の学生生活から高い国際感覚を身につけます。

 

 

英語「で」学ぶ力を養成する教育プログラム

 

目指す人材を育成するため、「英語力」「論理構築能力」「多文化共生」の3点を重視して、学びの体系を3段階とするカリキュラムで教育を行ってきました。

(出典:国際教養学部のカリキュラム概要 http://www.waseda.jp/sils/jp/about/curriculum01.html

<1>英語で考えて表現する力の育成


グローバルな世界で活躍するためには、英語圏のことを学ぶためではなく、自らの考えを英語で表現できるコミュニケーション能力が必要です。

 

国際教養学部では、入学前に英語プレースメントテストを行い、点数に応じて習熟度別クラスが編成されます。なお所定の点数に満たなかった学生は、基礎から英語力向上を図るクラスの受講が義務付けられ、受講しなければ、通常の英語科目を受講できない仕組みとなっています。 
 

「聞く」「読む」「書く」「話す」それぞれの要素について講座を実施しています。たとえば、「話す」力を養成するTutorial Englishは、学生4人に対して講師1人という少人数編成の1年生の必須授業です。ロールプレーやペアワークなどによって英語を話さざるをえない環境におくことで自然と英語を聞き話すことに慣れていきます。

 

また、大学院生等がチューターとなり、学部学生に対し英作文の指導を行うライティング・センターも設けられています。

(出典:国際教養学部の英語教育の概念図 http://www.waseda.jp/sils/jp/about/feature07.html

<2>幅広い分野の教養を磨き、論理的思考能力を構築


教養教育とリベラルアーツ教育を基本とし、多くの分野にわたり、多彩な科目を鏤めたカリキュラムを用意していますから、 学生の皆さんはそれらを広く学ぶことによりジェネラリストになること、あるいは、特定の分野を集中的に、深く、長く学ぶことによりスペシャリストになることが可能です。また、批判的な論理構築能力をリベラルアーツ教育を通じて磨くことに重点を置くことにより、多くの分野・場面で応用可能な能力を身につけていきます。

 

 

<3>多文化コミュニティー


国際教養学部では入学者の約3割は外国人留学生で、世界のトップクラスの協定校から毎年約200~250名の交換留学生が集まっています。さらに、国際機関や海外大で教えていた教員や留学生とともに英語で議論を交わします。このように日常シーンから多文化が共生する環境で学ぶことができます。

 

また、国際コミュニティセンターにおける外国人留学生と日本人学生の交流も盛んです。センターの運営は学生スタッフが中心となり、留学生・日本人学生合わせて年間約13,000人が、文化体験イベントやフィールド・トリップ、公開講演会、グループディスカッション等に参加しています。

 


グローバル人材としての資質を育む授業形態


基本的な授業形態は、事前に資料を多く読んだ上でのディスカッション中心の授業であり、グループワークを行うことも多い。グループワークでは各グループによるプレゼンテーションを実施した上で、学生同士で採点させなどしています。

 

こうした授業形態をとる場合、資料を読まないと授業に参加できないことが学習のカギとなります。そして、このような主体性や積極性を持たせることがグローバル人材育成に不可欠であることから、学生を授業に巻き込むことを重視しています。

 

 

1年間の留学必修


日本語を母語とする者は1年間の海外留学が必修です。留学先は、早稲田大学および国際教養学部が独自に協定を結んでいる300以上の大学で、未知の文化と日常的に接する環境の中で自己発見をする機会となっています。

 

 

有能な卒業生を輩出


このような一連の教育の効果として、国内外のグローバルな活動を行っている業界・企業へ卒業生が就職し活躍しています。業種は、商社をはじめ、業界全体がグローバルな業務を行う業界や、製造業等でも特にグローバル化が進んでいる企業が多く、企業側も、卒業生に対してグローバル人材としての可能性を見出しています。また、国内外での有力大学の大学院に進学している学生も多いようです。

基本情報

○所在地 東京都新宿区
○学部設立年 2004年
○学部学科構成 国際教養学部 国際教養学科 ※全13学部

〇数値で見る大学の特徴(2013年3月現在)

 

学生数

外国人教員比率

国際教養学部

3134

30

 

関連サイト

○国際教養学部インターンシッププログラム
http://www.waseda.jp/sils/jp/student/Internship_program_list.html

○Sempai Project(学生アクティビティ)
http://www.waseda.jp/student/weekly/contents/2010a/1216/216e.html


○グローバルネットワークセンター(留学・キャリアサポート)
http://www.waseda.jp/sils/jp/abroad/gnc.html


○国際学生寮WISH(※2014年3月オープン予定)
http://www.waseda.jp/wish/index.html

(下記出典:上記サイト)

外観イメージ
外観イメージ

大学から高校生のみなさんへ

国際教養学部は英語を中心とした多言語主義と、教育・研究や学生生活において、 特定の国や地域の文化に拘束されない多文化主義を基本理念にしています。そして、この理念を反映した教育課程とカリキュラムと教育方法を持ち、有能な卒業生を多様な企業や大学院に輩出してきました。

 

最近では2013年4月に当学部を母体とした大学院、国際コミュニケーション研究科も開設しています。近年、SILSと同種の学部がいくつも立ち上がっていますが、ほぼすべての授業を英語で行い、在学生の約8割にあたる500名以上の学生を毎年約30以上の国・地域の高等教育機関に派遣し、国際機関、製造業・商社・情報通信・金融・コンサルティングなどを中心とした国際企業に多数の人材を送り出している大学、そして、学部はSILSを除いて他にはありません。

 

国際教養学部の多言語主義、多文化主義をめざす理念に共感し、このユニークな共同体の一員になろうとする熱意のある皆さんを、この学部は大歓迎いたします。

 

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