第10回全日本高校模擬国連大会

ニューヨークへの派遣が決まった優秀賞受賞校インタビュー

異なる意見を冷静に分析、役割分担で常に議場全体を見渡す目を持つ

桐蔭学園中等教育学校(神奈川県)Bチーム 担当国:ブラジル(議場A)

高橋遼くん(2年)、青木渓くん(2年)

 

左から高橋遼くん(2年)、青木渓くん(2年)
左から高橋遼くん(2年)、青木渓くん(2年)

1.担当国を希望した理由を教えてください。特に、今回の議題の「サイバーセキュリティ」については、担当国のどのような点に注目されましたか。

 

先進国と途上国の双方の問題を理解することができる新興国の大使を演じることによって、先進国と途上国の架け橋になれると思ったからです。

 

2.全国大会に向けてどのような準備をしましたか。

 

議題理解を深めたり、自国の状況・政策を調べることはもちろんのこと、他国の政策を調べたり、第2回から4回までのGGE(サイバー空間に関する国連の会議)報告書を文言レベルで一つひとつ分析し、議論の流れやその裏にある各国の思惑を類推し、議場予測や妥協点を探ったりしました。

 

3.準備の段階で苦労したことは何でしょうか。

 

「サイバー空間」という議題に関して、事前知識が全くない上、難易度が非常に高かったので、一つひとつの事柄がどのように関連しているのか頭の中にネットワークを作るのが大変でした。(高橋くん)

 

「サイバー空間」と聞くとインターネットの専門知識が中心かと思いましたが、実際は人権や国家体制など抽象的なテーマであったので、論を構築するのに苦労しました。(青木くん)

 

4.大会当日は、どのようなことに気を付けながら会議に臨みましたか。

 

私は主に他のグループとの交渉を担当していました。常に議場全体を冷静に見渡し、何をするべきなのかを判断し、議場全体に呼び掛けることを意識しました。(高橋くん)

 

私は主にグループ内部を固めることを担当しました。私は一つの事に集中してしまうタイプなので、スピードの速い外の議論よりも中をまとめる方が性に合っています。グループの人たちがちゃんと納得しているか、理解しているかを常に意識しました。(青木くん)

 

5.会議を進める上でいちばんたいへんだったことは何ですか。それをどのような工夫や努力で乗り越えましたか。

 

大使それぞれ意見が全く異なっていたので、意志の統一が大変でした。相手の話を掘り下げるなどして、「どうしてそのような意見を持っているのか」とういう意見の裏にある考え方や目的を読み取るようにしました。(高橋くん)

 

他国大使の方々が想像以上に積極的に動いていたので、もたもたしていると存在感が失われていくなと危機感を覚えました。そこで話し合われていることをしっかり理解した上で、「今自分がやるべきこと・自分にできることは何か」を考え続けました。(青木くん)

 

6.世界大会出場が決まった瞬間の気持ちを教えてください。

 

世界大会出場は模擬国連を始めた時からの目標の一つであったので、嬉しかったですが、率直に言うと、嬉しさ以上に最優秀賞を取ることができなかった悔しさの方が強かったです。(高橋くん)

 

まさか自分が渡米するとは思ってもいませんでした。嬉しい気持ちもありますが、それ以上に自分に課せられた責務の重さを実感しています。(青木くん)

 

7.世界大会に向けての抱負を教えてください。

 

世界大会では全日本大会以上に精神力や人間力が求められると思います。経験したことをしっかりと自分のものにしたうえで、「勝てる」確信を持って望みたいです。(高橋くん)

 

全日本大会で達成できなかったことを達成することはもちろん、世界中から集まった大使たちと白熱した議論をしたいです。(青木くん)

 

8.これから模擬国連を目指す人へのメッセージやアドバイスをお願いします。

 

模擬国連の一番の魅力は理想を持ち、自分と向き合い、とことん考え、行動することで「人間力」を高めることができること、また互いにいい刺激を与え合える仲間が学校の垣根を越えてできることだと思います。最初は怖いかもしれませんが(僕はめちゃめちゃ怖かったです)、勇気を持って一度参加してみてください!! 人によっては人格までも変えてしまうくらい力を持つものです。(高橋くん)

 

模擬国連は、交渉力、スピーチ力といった技術のみならず、「人間力」を高める競技です。肩の力を抜いて、自分がどうありたいかを考えて、会議に参加すると楽しくやれると思います。初めはできないことだらけでかもしれませんが、経験がものを言う競技でもあります。くじけず、自分の演じたい大使像になりきってください! (青木くん)

 

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