第4回全国高校生徒会大会実行委員インタビュー(関西編)

「理想の生徒会を考える場」を創るために

島田真志くん(灘高校2年)、久本創くん(灘高校2年)、横谷悠くん(神戸大学附属中等教育学校5年)に聞きました

左から久本くん、横谷くん、島田くん、舩木くん
左から久本くん、横谷くん、島田くん、舩木くん

いよいよ開催が近づいた全国高校生徒会大会。今回は、関西の高校で実行委員を務める島田真志くん(灘高校2年)、久本創くん(灘高校2年)、横谷悠くん(神戸大学附属中等教育学校5年)に、みらいぶ特派員の舩木くんが話を聞きました。会場となる東京からは離れた関西で、どのような工夫をしながら準備を進めているのか。いろいろな学校や地域にまたがる団体やイベントの運営の参考になる意見も聞けました。(2016年3月11日取材)

 

参加者に優しい大会にするために、実行委員は頑張ります!

 

――ふだん、皆さんは学校内ではどのような生徒会活動をしていますか?

 

島田くん 生徒会役員としては、交流委員長という役職に就いています。主に、他校や地域との交流を担当していて、関西生徒会連盟や芦屋サマーカーニバル(※1)の実行委員会に参加して、ボランティアをしたりステージでのイベント企画を練ったりしています。また、関西生徒会連盟では代表を務めています。他には、文化委員会や体育委員会に所属しています。

※1 http://www.ashiya-hanabi.com/

 

久本くん 僕は、会誌担当副会長に就いています。一年に一度発行される生徒会誌の編集長のような役職として、今年の会誌を作成しました。また、交流委員会にも入っており、島田くん同様、関西生徒会連盟や芦屋サマーカーニバルに参加しています。

 

横谷くん 僕も生徒会で副会長をしているのですが、これといった決まった仕事がないので、様々な活動に携わっています。主に行っている活動は、関西生徒会連盟の副代表と、文化祭の運営です。僕の学校では、文化祭実行委員会は生徒会とは別の組織なのですが、そこでも幹部を務めています

 

――今回の全国高校生徒会大会の実行委員会では、皆それぞれ所属している部署や役職があると思いますが、どのような経緯を経て今の役職に就いたのですか?

 

島田くん 生徒会大会には昨年の第3回大会に初めて参加し、すごいと思って今回実行委員会に入ったのですが、多くの改善点も見つけたため、幹部としてそれらを改善しようと思いました。総務部を選んだ理由としては、総務部が悪く言えば「何でも屋」、良く言えば「何でもできる」という点にあります。そのため、総務部は他の部署の依頼やサポートをこなすことになりますが、それによって円滑な運営に貢献できると考えたからです。

 

横谷くん 僕は、最初は実行委員長を決める選挙の管理委員をしていました。その後、実行委員長に指名してもらって、副実行委員長となりました。また、僕は人事部長も兼任しています。人事部は、昨年の大会で実行委員が参加者に優しく接していたのが印象に残ったため、今年から新たに設立した部署です。昨年までは関東と関西にそれぞれ実行委員長がいて、片方の実行委員長が実行委員会をまとめて、もう片方が参加者と接するという形がとられていました。今回、実行委員長が一人になったので、参加者のサポートは人事部がカバーできればいいなと考えました。

 

久本くん 僕は経理部で、参加者のメール対応を主に担当しています。これは、自分の学校での会誌作成が忙しくて準備に協力することが難しかったので、なるべく実行委員会に迷惑がかからないようにするために、大会直前に仕事が集中している部署を選ぼうと思ったからです。また、同じ高校の同級生と同じ部署に入るのもあまり良くないと考えたということもあります。

 

――それぞれの役職で工夫していることはありますか?

 

島田くん 他の部署と比べてみると、例えば企画部は新しい企画を練る部署として、スカイプ会議等の話し合いが中心になります。それに対して、僕達の総務部は既存の仕事をこなす部署であるため、時間短縮のためにスカイプ会議を少なくして、僕から仕事を割り振るようにしています。

 

横谷くん 僕は、仕事内容をできるだけ一覧にして実行委員たちに渡し、実行委員たち本人に得意な仕事を選んでもらうようにしています。また、人事部は参加者とのメールのやり取りが多いため、人事部内でそのやり取りを共有できるようにしています。

 

久本くん 僕は実行委員会では部長ではないため、部長から割り振られた仕事の締め切りを必ず守ることや、クオリティの維持に注意を払っています。

 

 

全国に散らばる実行委員。どうやって意識合わせを図る?

 

――実行委員が全国に散らばっていることの、メリットとデメリットを教えてください。

島田くん 関西の関西生徒会連盟が、関東の高校生徒会懇談会など、全国には様々な生徒会の団体があります。そこで、全国に散らばっている実行委員が各団体において宣伝することができるという点がメリットとして挙げられます。

 

横谷くん デメリットとしては、やはり全国に実行委員が散らばっていることで、直接会える機会が少ないという点があります。スカイプやメッセンジャーを使って連絡は取るのですが、直接会えないため催促をするのも難しいですし、まだ一回も会ったことのない人に指示を出さなければならない状況ができてしまいます。大会当日まで直接会うことのない実行委員が大半で、実は、僕も実行委員長の須田くんと副実行委員長の赤川さんとも、初めて直接会ったのは12月でした。直接会えないことは、モチベーションの低下にもつながるため、注意を払わなければなりません。

 

――関西の実行委員のみなさんは、定期的に「ハイラジ」というラジオ番組を放送していますよね。ハイラジではどのようなことを話しているのですか?

 

島田くん ハイラジでは、僕と横谷くんがレギュラーとして出演していて、毎回テーマに沿ったゲストを招いています。テーマは生徒会に関することに限らず多岐にわたるため、真面目な話が多い回もあれば、雑談のような話が多い回もあります。最初は大会の宣伝や大会に関する説明がメインだったのですが、最近は参加者も確定したので持ち物や心得に関するアドバイスが多いですね。直近では、3月27日(日)の放送で、大会のOBの方などを招いて、実行委員や参加者に対するアドバイスをいただきます。

 

横谷くん 生徒会役員じゃない方でも楽しめるようなラジオにすることで、様々な方に聞いてもらい、生徒会そのものや生徒会大会に興味を持っていただければいいなと考えています。

 

――ハイラジをやっていて嬉しかった出来事はありますか?

 

島田くん ハイラジの放送中に僕のフェイスブック宛に「今ラジオ聞いています!すごく面白いです!」というメッセージが来たことがあって、とても嬉しかったですね。

 

横谷くん 僕は以前、予備校で突然「先週ラジオ聞きました!」と言ってもらえて、とても驚いたと同時に、「こんなにもハイラジが広まっているんだ」と感動しました。

 

 

生徒全員が成長できる生徒会のあり方を議論するために

 

――みなさんが考える理想の生徒会とは、どのようなものですか?

 

島田くん 生徒会というのは、一般生徒がよりよい学校生活を送るために働く組織です。しかし、僕は、生徒会役員も活動を経てスキルアップできるような生徒会を目指したいと考えています。

 

久本くん 僕は生徒全員が生徒会の会員だと考えています。生徒会役員はその中でも限られた、重要な役目を担う存在ですが、一般生徒の働きなしには生徒会活動は成り立ちません。そこで、役員がしっかりした上で、一般生徒も自主性を持って活動に取り組める組織が理想だと思います。

 

横谷くん 僕も久本くん同様、全生徒が生徒会の一員だと考えています。そこで、生徒会役員として学校を変えたいと考えるのではなく、生徒個人が変われる環境を作りたいと考えています。たとえば、文化祭では役員が土台を作って、文化祭そのものは全生徒によって作られます。このように、生徒個人が自主的に自分のしたい活動をできるようなきっかけを作れるような生徒会でありたいと思います。

 

――最後に、第4回生徒会大会に対する意気込みを教えてください。

 

久本くん 僕は今大会で議長を担当するので、しっかり議論をまとめて、下級生からも慕われるような議長になりたいです。

 

島田くん 第3回大会では、大会を通じて様々な人脈を得ることができました。その人脈は、大会を支えた先輩から還元していただいたものです。今大会では、先輩として得たものを後輩に還元したいと考えています。また、僕は大会当日に「アドバイザー」というポジションも担当するので、しっかり準備をして議論の中で上手く役立ちたいと思います。

 

横谷くん まず副実行委員長としては、ただひたすらに大会を成功させることだけに集中したいです。また、人事部は参加者をサポートすることが仕事です。第3回では、実行委員の先輩たちが参加者を優しくサポートしてくださったおかげで良い経験を得られたので、今回も参加者が大会に集中できるように、人事部長として貢献したいです。

 

 

[取材を終えて]

みらいぶ特派員 舩木駿一くん

(早稲田大学政経学部1年)

 

今回の取材では、私はインタビュアーとしてだけでなく、灘校生徒会とハイラジのOBとしての立場も抱えていました。特に、島田くんが担当している交流委員長という役職は、かつて私が担当していた役職でもあります。島田くんから、学校間交流の現状を聞いて、年々生徒会同士での交流が活発化しているのだと感じました。

 

また、僕がハイラジに出演していた頃にも掲げていた、「生徒会関係者以外も楽しめるようなラジオ」というコンセプトが現在でも受け継がれていることは、とても嬉しく感じました。

 

このコンセプトは、今回3人が話してくれた、「一般生徒と生徒会役員を合わせた全生徒のためになる生徒会」という理想に通ずるものがあると思います。今後も生徒会大会の活躍を追うと同時に、ハイラジの発展にも注目したいです。

 

次回のハイラジの放送は3月27日(日)23:00~24:00です。ぜひご視聴ください。

(ハイラジはエフエムあまがさきで放送) 

■放送局 エフエムあまがさき(82.0MHz)
→可聴範囲: 尼崎市、西宮市南部、伊丹市、宝塚市南部、大阪市西部、豊中市、吹田市

※上記以外の地域で聴く方法はこちら
エフエムあまがさきのホームページ
http://fmaiai.com/
右下の方にある「INTERNET RADIO」のコーナーに、エフエムあまがさきが聴けるアプリが紹介されています。

■全国高校生徒会大会のホームページはこちら

http://www.nscc-official.com/
日程:3月30日(水)~4月1日(金)

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