やまけんが行く!高校生劇団稽古編

学校の演劇部では得られない本気を求めて、演劇を愛する高校生、劇団を作る

~劇団バイオレンス☆クロッカスの稽古場に潜入


演劇が好きで好きでたまらない、でも学校の演劇部には本気で打ち込める環境が整っていない......そんな「演劇大好き高校生」たちが学校外で集まって高校生だけの劇団を作ったという話を聞き、興味を持った僕はその劇団「バイオレンス☆クロッカス」の立ち上げ人、宮本萌美(みやもと・めぐみ)さん(高2)と連絡をとりました。

宮本萌美さん
宮本萌美さん

不思議な劇団名 「青春の喜び」+「荒々しさ」

「バイオレンス☆クロッカス」のメンバーは15人。気になるこの不思議な劇団名は、「青春の喜び」が花言葉の「クロッカス」に、それだけではあまりにも女々しいということで「荒々しさ」を表す「バイオレンス」を付け足したとのこと。なんとも不思議なネーミングセンスしてますよね(笑)でも、あの有名なミュージシャン「ゆず」だって、2人のバイト先の食事会で食べた「ゆず」シャーベットにちなんで「ゆず」と名付けたそうですからヽ(^o^)丿
 

演出家は皇帝

どういう演劇を目指しているのか、劇団の立ち上げ人で、演出を担当する宮本萌美さんに訊くと、
「私としては演技が上手とか下手とかいうよりも、キャストやスタッフが、本番で全力を尽くして観客に訴えかけられたらいいかな、と思ってます。そのためにスタッフもキャストも猛特訓してます。演出の私はキャストの(立ち位置の)重なりとか、立つ角度とか、セリフの間とか、声の高さとか、音響・照明のタイミングとか、きっちり決めるタイプなので、その点、私は演出として自分がやりたいことをやらせてもらってます(笑) 演出の言うことは絶対なんです、もう皇帝レベルに。でも、キャストの意見に聞く耳を持たないと誰もついてきてくれないし、台本をキャストの何倍も読み込んでイメージを膨らませていないといけない。演出が大変なのは、セリフの言い回しや動きを考えること。一方で、キャストが大変なのは、セリフや動きを身体で覚えること。演出もキャストも必死になって台本を読み込みますけど、演出は胸を張って『キャストより読み込んでます!』って言えないとダメですね(笑)」

現在は4月19日、20日の自主公演に向けての稽古で忙しいそう。4月の公演のタイトルは「MARBLE!」。ストーリーは以下です。

現在小学生の素野舞子の日記には
大事な日々が書き連ねられている。
仲のいい友達と大好きな先生とふざけ合った日々、
好きな人に言われた言葉……
それは彼女にとって大切な記憶だった。
12年後の未来の舞子。
ふと日記をめくると、その時の記憶が曖昧……?
不思議に思った素野の周りに
昔、仲の良かった仲間が集まった。
――覚悟を決めたタイムスリップ、
そこで待ち受けていた現実は?
――記憶が曖昧だった理由は?


本気の稽古場に潜入

忙しい中、稽古の見学をさせていただけるということで、活動場所の神奈川県横浜市まで行ってきましたー!
それでは取材当日の様子を......どうぞ!!

横浜市青少年交流センター「ふりーふらっと野毛山」に到着。劇団「バイオレンス☆クロッカス」の稽古場、203号室に潜入(^O^) 

上の写真は、萌美さんと共に演出を務めるのは高校3年の袴彰太(はかま・しょうた)くん。彼が稽古部屋に入ると空気が引き締まります。小学校の教室をイメージした椅子が並べられ、さっそく台本の読み合わせが始まります。 

24歳の先生役を演じるのは江崎さん(16)。8歳年上の役を演じます。袴くんから江崎さんに「(自分の年齢に)10歳足して」と指示が。でも、役を作りこんではいけない。10歳年上に見せるために声色を大人っぽく低めにしよう、などという小手先の変更ではダメみたいです・・・ヾ(。>﹏<。)ノ゙


「江崎、みんなのこと見下して。」 「もっとえげつない大人に。とがって欲しい。」
袴くんから次々と指示が飛びます。ひたすら意地悪な先生を演じるのは難しいはず。でも、結構憎々しい感じに見えました。どのくらい憎々しく仕上がっているかは本番のお楽しみ!


逆に10歳ほど年下の小学生の役を演じるのも難しいはず。小学生役の6人の中には、練習に来られなかった「本キャス」(=本番のキャスト)の代わりに読み合わせをしているメンバーもいて、あとで本キャスにアドバイスできるよう必死にメモをとっていました。出演しない人も含めて、メンバー全員で本番に向けて懸命に練習する姿が輝いていました☆\(^^)/☆


教室の広さが狭いと感じれば椅子の間隔を広げて調節。チャイムの鳴るタイミング、机の有無、それから椅子をどこから借りてくるかまで、すべてその場で話し合いながら決めていきます。
「小学生の椅子ってちょーちっちゃいでしょ!」
たしかに!でも、そんなことまで...(笑)

「自分に制約つけなくていいよ。演劇のルールあるでしょ、セリフとセリフがかぶっちゃいけないとか。今はそういうのどうでもいい。演劇のルールは最後につければいい、ルールは見栄えを良くするだけだから。」と袴彰太くん。この劇団は形式的なものにとらわれず、本質的なものを大事にしているなーと感じました。

本番は4月19日(土)、20(日)。JR大森駅から徒歩5分の山王フォレストにて。記事だけでは臨場感が伝わらないので本物を観に行きましょう!「楽しく、そして本気」の雰囲気をぜひご自身で感じ取ってみてください!!

 


【少しでも関心を持った方は詳細をチェック!】
★公演詳細ページ★
★チケット予約フォーム★
★会場アクセスMAP★
【主要駅から会場まで】
・品川駅→(JR京浜東北線 5分)→JR大森駅→(徒歩5分)→会場「山王フォレスト」
・川崎駅→(JR京浜東北線 8分)→JR大森駅→(徒歩5分)→会場「山王フォレスト」

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