第10回全日本高校模擬国連大会

ニューヨークへの派遣が決まった優秀賞受賞校インタビュー

決議案の説明文書をその場で作って議場全体に配布。笑顔で雰囲気作りにも貢献

浅野高校(神奈川県) 担当国:ポーランド(議場B)

小塚慶太郎くん(2年)、宗武 陸くん(1年)

 

左から 小塚慶太郎くん(2年)、宗武 陸くん(1年)
左から 小塚慶太郎くん(2年)、宗武 陸くん(1年)

1.担当国を希望した理由を教えてください。特に、今回の議題の「サイバーセキュリティ」については、担当国のどのような点に注目されましたか。

 

今大会のキーワードである「コンセンサス」を達成するためには、国家主権や表現の自由に偏ることなく、中立国であることが重要だと考えたためです。ポーランドは第5希望でしたが、比較的中立的な立場を取っているヨーロッパの国を第1~5希望まで選択しました。ポーランドは近年、国外からのサイバー攻撃を受けており、その被害を最小限に抑えることが直近の課題となっています。そのため、どのような解決策をDRに盛り込めば、自国のサイバーセキュリティを高められるかという点を重要視しました。

 

2.全国大会に向けてどのような準備をしましたか。

 

議題に関して過去に国連で採択されたものを中心的に準備しました。また、当日の会議戦略についてはどんなことが起きても対応できるように、ペアとしっかりと練りました。夏ごろから選考課題と並行して、ファシリテーションやロジカルシンキングなどのグループのまとめ方についての本を読み、ホワイトボードの活用などの準備をしていました。書類選考を通過した後は、議題やGGE(サイバー空間に関する国連の会議)について国連の公式文書を中心に調べ、その後ポーランドについて、他国などの様々な視点から議題について、ペアと協力して調べていきました。1週間ほど前からはスピーチの練習や本番の動き方などを念入りに確認し、本番を予想したリハーサルをするなど、臨機応変に対応できるような準備をしました。

 

3.準備の段階で苦労したことは何でしょうか。

 

今までの議題である「環境問題」や「食糧問題」とは違い、「サイバー空間」に関してはそもそも資料数が少なく、また各国のサイバー空間に関する政策の多くは機密になるため、そこが大変でした。(宗武くん)

 

限界がないことが苦しかったです。宿題のようにここまでやればよいというものがないため、リサーチの終わりが見えず、苦労しました。本番当日も、朝の電車の中で調べたり確認したりするなど、ギリギリまで自分を追い込みました。(小塚くん)

 

4.大会当日は、どのようなことに気を付けながら会議に臨みましたか。

 

グループの雰囲気には気を配りました。グループの雰囲気が良いことで全員のモチベーションが高く保たれ、それによって議論が活発になり、結果的に良い決議案が作られると思うからです。(宗武くん)

 

グループの方向性をしっかりと定め、人の話をしっかりと聞き、様々な意見を取り入れることに気を付けました。特に他の人よりも気を付けていたポイントは、笑顔を大切にし、雰囲気の良いグループ作りを心掛けることです。(小塚くん)

 

5.会議を進める上でいちばんたいへんだったことは何ですか。それをどのような工夫や努力で乗り越えましたか。

 

議論のスピードがとても早く、数分その場にいないだけで、まず話についていけません。しかし、誰にもゆっくり一つひとつ説明できるような時間の余裕はありませんでした。そこで、僕は一目でそれまでの議論な流れをつかめるような図や文章をホワイトボードにまとめ、それを見てもらいました。(宗武くん)

 

コンバイン(統合)をする際に、他のグループの思惑を知ることが難しかったです。グループ内でスパイ(笑)のような働きをしてもらうなどして、コンバインを含めたグループとしての外交を進めました。(小塚くん)

 

6.世界大会出場が決まった瞬間の気持ちを教えてください。

 

ただただ驚きました。まさか高1で、しかも模擬国連を始めてわずか9か月だったからです。自分がまさか世界大会に行けるなんて…。実は未だに実感が湧いていません(笑)(宗武くん)

 

ずっと夢をみている感じでフワフワしていました。当日のことは、違う世界で起こった出来事のようで、嬉しすぎてイマイチ覚えていません。(小塚くん)

 

7.世界大会に向けての抱負を教えてください。

 

僕らは、みんなの思いを背負ってNYに行くわけです。だから責任と覚悟をしっかりと持って頑張りたいと思います。目指すはもちろん最優秀賞です。(宗武くん)

 

浅野高校の代表、日本代表として世界で自分の持てる力を最大限発揮し、最優秀賞を獲得します!(小塚くん)

 

8.これから模擬国連を目指す人へのメッセージやアドバイスをお願いします。

 

模擬国連とは不思議なもので、リサーチや会議中もずっと辛いのに、会議が終わるとまたやりたいと思ってしまいます。それは、「戦友」がたくさんできるからだと考えます。それぞれの長所を活かし、自分にはできないことを他の人にお願いして、自分ができることは積極的に行う。協力プレイが好きな僕にとってこれ以上面白いものはありません。模擬国連、1回出場してみてはどうでしょうか。多分辛いですが、達成感もすごいですよ。(宗武くん)

 

出場することで、学校外の才能ある高校生と議論することができます。これが刺激になり、論理力、表現力、会話力、英語力など様々なスキルを向上させることができます。そして、模擬国連で得ることのできる、これらのスキル、知識、人脈は何事にも変えることができません。ぜひその楽しさを多くの人に体験してもらいたいと思います。(小塚くん)

 

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