みやぎ総文2017 自然科学部門

最新のテクノロジーを利用して、絶滅危惧種カスミサンショウウオの新たな生息地を発見!

【ポスター部門】岐阜県立岐阜高校 自然科学部生物班

左から、坂井雄祐くん(2年)、北村拓斗くん(3年)、岡田翔吾くん(3年)、土田康太くん(2年)
左から、坂井雄祐くん(2年)、北村拓斗くん(3年)、岡田翔吾くん(3年)、土田康太くん(2年)

■部員数 21人(1年生13人・2年生5人・3年生3人)

■答えてくれた人 土田康太くん(2年)

 

守れ!ふるさとのカスミサンショウウオVIII~GISと環境DNAを用いた新規生息地の発見~

手のひらサイズのサンショウウオを自然界で探すために

私たちは岐阜県のカスミサンショウウオの保護活動を11年間継続して行っています。サンショウウオと言われた時、井伏鱒二の短編小説「山椒魚」の主人公のように大型の生物を思い浮かべる人も多いと思いますが、カスミサンショウウオは成体でも全長10cmの手のひらサイズの生物です。生息域は西日本に広く分布し、普段は川ではなく山や丘陵地に生息しており、産卵期には山際の池や水溜りにやって来ます。全国的に絶滅の危機にあり、私たちの住む岐阜県では岐阜県版レッドデータブック絶滅危惧I類に指定されています。

 

これまで岐阜県内での生息地は、岐阜市と揖斐川町の2か所しかありませんでしたが、昨年の3月、海津市で県内3か所目の生息地が発見されました。この発見から、岐阜県内には潜在的に生息しているカスミサンショウウオが存在し、このような個体群も含めた包括的な保護活動をしていく必要性があるのではないかと考えました。

 

しかし、小型で個体数の少ないカスミサンショウウオを探すのには莫大な時間と労力を要します。そこで、GIS(地理情報システム)と環境DNAという2つの技術を組み合わせて、迅速かつ効率的に新規生息地を見つけることを試みました。

 

GISとは、降水量や標高、植生など位置や空間に関する様々な情報をコンピュータ上で重ね合わせて分析し、その結果を視覚的に表示させるシステムです(図1)。例えばカーナビやハザードマップに利用されています。ビッグデータを容易に利用することが可能であるため、非常に効率的な調査が可能であると考えられています。

図1 GIS
図1 GIS

まず絞り込む条件を設定します。カスミサンショウウオの生育に関わると思われる環境条件、植生(「水田」、「水田雑草群落」、「休耕田」、「休耕田雑草群落」、「竹林」)の割合と標高、傾斜度、傾斜方向を岐阜県内の生息地3か所周辺の環境で調べました(表1)。

 

表1 既知生息地3ヶ所の解析結果
表1 既知生息地3ヶ所の解析結果

これらの結果を基に条件を設定しました。植生面積の割合が2種類の傾向に分かれたことから今回は地域ごとに条件を分けて設定しました(図2)。

 

図2 検索対象地域
図2 検索対象地域

岐阜県のカスミサンショウウオは鈴鹿山脈を南に迂回し、濃尾平野南西部から分布を拡大したと考えられています。そのため今回は、岐阜県西部の濃尾平野の外縁地域12市町に半径500mの円を約6000地点に発生させ、設定した条件を満たす円を5地点特定しました(図3-1、2)。

 

図3-1 規則的な円
図3-1 規則的な円
図3-2 岐阜県生息候補地
図3-2 岐阜県生息候補地

黄円:生息候補地

その他の円:植生割合を満たす円

赤:岐阜県西部地域 青:岐阜県南西部地域

 


スプーン1杯の土で生息が判別できる環境DNA

続いて、環境DNAを用いた生息調査です。環境DNAとは、環境水や堆積物中に含まれる生物の皮膚や糞に由来するDNAのことです。たった1Lの水、スプーン1杯の土で対象にした生物の生息の有無を判別でき、希少生物の調査に有用であると近年注目されています(図4)。

 

図4 環境DNA
図4 環境DNA

カスミサンショウウオにおける環境DNAを用いた調査、研究は行われていませんでした。そこで、岐阜市の生息地の水1LからカスミサンショウウオのDNAの増幅を試みることでカスミサンショウウオの環境DNA調査が可能であるかを検討しました(図5)。

 

図5 電気泳動像
図5 電気泳動像

※上図 PC:ポジティブコントロール NC:ネガティブコントロール

 

 

生息地の水からカスミサンショウウオのDNAを検出しました。カスミサンショウウオの環境DNAを増幅させたのは世界初のことです。このことにより、カスミサンショウウオで環境DNA調査は可能であることがわかりました。

 

また、生息が確認されている岐阜市生息地内の3か所と、岐阜市有地内の3か所で2016年1月中旬から約1週間おきに採水し、環境DNAによる生息調査の適正時期の特定を行いました。表2は採水した日付ごとに環境DNAの濃淡を示しています。6月17日は各地点で濃いDNAが検出されていますが、これは数日前に保護活動の一環として行った放流会の影響で個体数が増加したためであると思われます。環境DNAを用いた調査は、1月中旬~7月中旬まで可能ですが、どの場所でもはっきりとしたDNAが検出された3月上旬~下旬が最適期であることが判明しました。

 

表2 調査適正時期の解析
表2 調査適正時期の解析

さらに、調査地域にはHynobius属のサンショウウオが3種類(カスミサンショウウオ、ヒダサンショウウオ、コガタブチサンショウウオ)生息している可能性があります。検出されたDNAがカスミサンショウウオと判別するためDNAを酵素で切断し、切断されたDNAの長さで種判別を行うPCR-RFLP(Restriction Fragment Length Polymorphism:制限酵素断片長多型)法による簡便な種判別法を検証しました。3種類のDNA配列を比較し2種類の酵素の組み合わせを利用して、Hynobius属3種の種判別法を確立しました(図6-1)(図6-2)。

 

図6-1 ScaⅠ処理結果
図6-1 ScaⅠ処理結果
図6-2 MspⅠ処理結果
図6-2 MspⅠ処理結果

※上図

未:未処理 処:処理 カスミ:カスミサンショウオ ヒダ:ヒダサンショウウオ コガタ:コガタブチサンショウオ

環境DNAが検出された地点で、実際に卵のうを発見!

実際にGISで絞り込んだ候補地5地点のうちの1つ、海津市内の候補地において環境DNA調査を実施しました。調査時期は、カスミサンショウウオが水中にいる産卵時期ではない10月であったため、候補地の堆積物からのDNAの増幅を試みました、その結果DNAが検出されました。堆積物からDNAを増幅させることに成功しました(図7)。

 

さらに、産卵期である2月に周辺で環境水からの調査を試みたところ、DNAが検出されました。この場所にカスミサンショウウオが生息している可能性が高まりました(図8)。

 

図7 電気泳動像
図7 電気泳動像
図8 電気泳動像
図8 電気泳動像

※上図 PC:ポジティブコントロール NC:ネガティブコントロール

そして今年の3月、検出地点周辺で重点的に個体や卵のうの調査を実施しました。その結果、環境水から環境DNAが検出された地点でカスミサンショウウオの卵のう1対を発見しました(図9-1)(図9-2)。

 

図9-1 発見された卵嚢
図9-1 発見された卵嚢
図9-2 新規生息地
図9-2 新規生息地

研究を開始してわずか1年で、希少生物の生息地を効率的に発見することができました。発見された場所の環境や、見つかった卵のうが1対だけだったことから、発見して保護しなければこの場所のカスミサンショウウオは絶滅する可能性があったと考えます。

 

遺伝子解析からサンショウウオの由来を探る

さらに、2016年に発見された海津市の生息地、および本研究で新たに発見した生息地のカスミサンショウウオの遺伝的多様性を解析しました。

 

2016年に発見された海津市のカスミサンショウウオは、もともと知られていた岐阜市、揖斐川町の2か所の生息地とは異なる遺伝子型であることがわかりました。また、解析した13個体は全て同じ遺伝子型でした。さらに、今回発見した海津市の新規生息地のカスミサンショウウオを配列解析した結果、2016年に発見された海津市生息地の個体と同じ配列であることがわかりました。両地点は直線距離で約4km離れていることから、元々は同じ個体群であったものが、生息域の減少に伴い個体数を減らし、生息地が分断されたと考えられます。今回の解析により、海津市個体群の遺伝的多様性の低さが明らかとなりました。

 

さらに、海津市個体群の塩基配列を加えて東海地方のカスミサンショウウオの系統樹(生物の類縁関係を樹木状に表したもの)を作成した結果(図10)、海津市個体群の遺伝子型は岐阜市や揖斐川町個体群と遺伝的に近いことが明らかになりました。

図10  東海地方の地域個体群間の系統樹
図10  東海地方の地域個体群間の系統樹

滋賀県彦根市や滋賀県米原市個体群とは遺伝的に離れていることから、海津市個体群は三重県方面から侵入したと考えられます。この結果は、岐阜県内のカスミサンショウウオが県南西部から侵入してきたという高橋ら(2013年)の考察を確証に導くものとなりました(図11)。

 

今後、潜在生息地の発見が、カスミサンショウウオの個体群間の遺伝的多様性の検証や生物地理学的見地をより広げることにつながると考えています。

 

図11 東海地方への進出経路
図11 東海地方への進出経路

生息地の環境変化から浮かび上がる絶滅までの過程

前述のとおり、岐阜県内のカスミサンショウウオの生息地は3か所で、本研究の新規生息地を加えてもたった4地点しか存在しません。この主な原因は、土地利用の変化、環境改変などにより生息域が分断されたことが原因と考えています。博物館に所蔵されている標本の情報は、その地点で標本生物が生息していた確実な証拠です。そこで、岐阜県博物館の協力のもと、館内所蔵庫に保管されている両生類標本の中から、岐阜県内で捕獲されたカスミサンショウウオの標本を捜索し、産地を確認することで、過去に生息していた地点の特定を試みました。

 

さらに、標本の産地と、1984年までカスミサンショウウオの生息が確認されていた海津市羽沢(以下、絶滅生息地)の生息が確認されていた時期と現在の地形図等を岐阜県図書館で捜索しました。その後、地形図をスキャニングし、専用のソフトを利用して地形図をGIS上で解析できるようデータ化し、過去と現代の植生割合を比較しました。

 

岐阜県博物館での標本調査の結果、1977年に各務原市内、1988年に揖斐郡谷汲村(現揖斐川町)内で捕獲されたカスミサンショウウオの標本を発見しました(図12-1)(図12-2)(図12-3)。

 

図12-1 各務原市標本
図12-1 各務原市標本
図12-2 揖斐川町標本
図12-2 揖斐川町標本
図12-3 カスミサンショウウオが確認された地点
図12-3 カスミサンショウウオが確認された地点

揖斐川町の標本については、関係者に正確な捕獲場所を確認しました。この2か所での生息の報告は初めてのことであり、生息域の北東端は岐阜市であると考えられてきたが、今回の発見によりさらに東の各務原市にもカスミサンショウウオが生息していた可能性が高まりました。カスミサンショウウオを扱う研究自体が少なく、発見されても学術論文等に記載されなかったものと考えられています。

 

岐阜県図書館で各務原市内、揖斐郡谷汲村(現揖斐川町2か所)、および絶滅生息地の地形図等を捜索した。その結果、1909年~2016年の地形図、土地利用図を全地点合わせて50枚発見しました。このうち、標本捕獲の正確な場所が判明している揖斐川町の標本産地と、絶滅生息地について、GISを用いた地形図の植生割合の比較を行いました。標本産地では1983年と2016年、絶滅生息地では1977年と2016年の地形図を用いて解析を行いました(標本が発見される以前の年代と最新のもの)。

  

解析の結果、植生割合は標本産地では33.86%(1983年)から26.04%(2016年)、絶滅生息地では16.80%(1977年)から8.04%(2016年)に減少していました(表3)。また、同時期の航空写真(図14-1)(図14-2)を比較すると、両地点とも水田が埋め立てられていることがわかりました。

 

表3 植生割合の変化
表3 植生割合の変化

図14-1 1977年の地形図
図14-1 1977年の地形図

赤円:半径約500mの円

図14-2 2016年の地形図
図14-2 2016年の地形図

赤円:半径約500mの円


もともと、この地域は扇状地の扇端部で湧水帯のため湿地であり、水田としての土地利用が盛んであったと考えられます。今回の解析結果より、生息地周辺の水田は宅地化が進み、水路はU字溝になり、道路が舗装されたことなどにより土壌中の含水量が低下し、湿地全体が乾燥したことが、カスミサンショウウオの生息を困難な状況にしていき、個体群が絶滅したと考えています。

 

新規生息地の発見は新たな科学的見地を得るうえ重要です。さらにGISと環境DNAを用いた調査は、方法や条件の工夫次第では、様々な可能性がある手法であると考えます。今後は今回見つけた生息地の保全、さらには気象条件など多角的な観点から調査を展開していきたいです。

 

■研究を始めた理由・経緯は?

 

2007年に本校の生物部の先輩方が、岐阜県岐阜市のカスミサンショウウオ生息地で調査を行ったところ、老齢個体が4匹という絶滅の危機に瀕している状況でした。なんとかカスミサンショウウオを守りたいと考えた先輩方は保護活動に乗り出し、加えてカスミサンショウウオに関する研究活動も行ってきました。保護活動は今年で11年目、研究活動は8題目となり、研究内容も遺伝子、生殖など多岐にわたります。2016年の3月に、岐阜県内で3か所目のカスミサンショウオ生息地が見つかったことに刺激を受け、まだ潜在的な生息地があるのではないかと考えたのが本研究の始まりです。テレビを見て環境DNA存在を知り、シンポジウムでGISを知り、この2つを組み合わせれば効率的に、短期間での調査ができると考え、研究活動が始まりました。

 

■今回の研究にかかった時間はどのくらい?

 

研究当初の生息適正時期の検証では週に1回の水汲み、ろ過、DNAの抽出、解析をひたすら繰り返し、時間が過ぎていきました。生息適正時期の検証が終わった後はGISを毎日操作し、地点を求めるためにパソコンと日々向き合い、やっと生息候補地を絞ってからは、生息地の土壌や環境水の分析、個体と卵のうの調査に奔走しました。生息地を発見してからも個体群の遺伝型を解析したり、博物館に行ったりと、一年中休むことなく毎日活動しています。

 

■今回の研究で苦労したことは?

 

初めは環境DNAの水をろ過する作業に苦労しました。止水環境に生息するカスミサンショウウオ生息地の水は濁っていることが多く、1Lの水のろ過に半日かかることもありました。次に苦労したことはGISの操作です。データを集め、ソフトで解析をする、言葉で書くと簡単に見えますが、初めて扱うソフトを説明書なしで行うのはとても労力を使いました。

 

■「ココは工夫した!」「ココを見てほしい」という点は?

 

まず、新しい生息地を発見する方法として近年の開発された新技術、環境DNAとGISに注目しこれら2つの技術を組み合わせようと考えたところです。次に生息適正時期の検証に基づいて10月の水からの環境DNA調査は厳しく、さらに水たまりが渇水していたため土壌からの環境DNA調査に切り替えました。生息地を発見するうえで、生物の痕跡を土壌中の環境DNA調査をしたことは、世界初の事例です。

 

■今回の研究にあたって、参考にした本や先行研究

 

1.高木雅紀、石丸克也(1991)岐阜県止水性サンショウウオについて.爬虫両棲類学雑誌14(2):91.

2.三橋弘宗、鎌田磨人(2006)野生生物の生息・生育適地推定と保全計画・特集を企画するにあたって.応用生態工学.8(2):215-219.

3.環境省生物多様性センター http://gis.biodic.go.jp/webgis/sc-023.html 1/25000植生図GISメッシュデータ

4.国土交通省国土数値情報 http://nlftp.mlit.go.jp/ksj/gml/datalist/KsjTmplt-G04-d.html 標高傾斜度5次メッシュデータ

5.高橋晃太郎、加藤真帆、馬淵朋哉、眞田樹也、杉山加奈、篠原悠希、安澤晃、二村凌、石田瑞生、磯貝涼介、後藤暁彦、高木悠、丹羽大樹、林俊輔、増田綾香、三輪直生、村瀬希(2013)守れ!ふるさとのカスミサンショウウオV~保護活動と東海地方の地域個体群間の系統解析~.第12回AITサイエンス大賞研究発表論文集.7-14.

6.S. Fukumoto、 A. Ushimaru、 T. Minamoto(2015) A basin-scale application of environmental DNA assessment for rare endemic species and closely related exotic species in rivers: a case study of giant salamanders in Japan. Journal of Applied Ecology.52(2):358-365.

7.富田勢(2016):環境DNA分析手法を用いたサンショウウオ属の検出法の開発、神戸大学人間環境学科自然環境論コース卒業論文

8.高原輝彦、山中裕樹、源利文、土居秀幸、内井喜美子(2016)環境DNA分析の手法開発の現状~淡水域の研究事例を中心にして~.日本生態学会誌66(3):583-599.

9.須貝俊彦(2012)養老断層の断層活動に伴う断層崖麓扇状地の形成、2012年日本地理学会秋期学術大会発表要旨集

10.山中裕樹、源利文、高原輝彦、内井喜美子、土居秀幸(2016)環境DNA分析の野外調査への展開.66(3):601-611.

11.斎藤靖二(2013)自然史標本の意義について.日本古生物学会誌.化石93:131-135.

12.平井松午(2009)古地図高精細画像データの活用とGIS分析(<特集>歴史地理情報システムの活用).情報の科学と技術.59(11):551-556.

 

■今回の研究は今後も続けていきますか?

 

GISで絞り込んだ5地点のうち、残り4地点について環境DNA調査を行い、カスミサンショウウオのさらなる生息地を発見したいです。そして、本研究で設定した検索条件の中で、最も大きな要因は何かを疑問に持ち、それを調べるため生息適地モデルの作成を検討しています。

生息適地モデルは、気温が1℃上がったら植生割合が3%減少したらなど、地形データを変更することで、未来のカスミサンショウウオの生息域を推定することもできます。生息適地モデルを用いて、より正確な条件で新たな生息地を検索し、今後カスミサンショウウオがどうなっていくのかを調べたいと考えています。

 

また標本調査の有用性がわかったため、岐阜県内の小中学校を中心として、大規模な爬虫類両生類の標本調査を実施してカスミサンショウウオの標本から過去の生息地を調べ、新生息地の発見絶滅の原因の解明をしていきたいと考えています。このような多角的調査の結果を、カスミサンショウウオの保全活動に生かし、岐阜県内の生物多様性の保全に貢献したいと考えています。

 

■ふだんの活動では何をしていますか

 

研究活動以外には、カスミサンショウウオの保護活動を行っています。岐阜県岐阜市カスミサンショウウオ産卵場に赴いて卵のうを保護し、致死率が高い幼生期を学校で飼育し、変態上陸直前に元の生息地に戻す活動を行っています。

 

前述のとおり、この保護活動は11年目となり、活動当初は卵のうが6対しか見つからなかったのが今では2017年には約80対以上になり、保護活動も実績を上げています。今後もこの活動を続けていき、カスミサンショウウオがかつての個体数に戻り、人間の手を借りなくても生息していけるようになることを目標としています。

 

■総文祭に参加して

 

総文祭に参加して感じたことは、相手に物事を伝えることの難しさです。限られた時間の中で、相手に対して多くの情報を正確に伝える技術は、将来どのような場面でも活きてくる大切なスキルだと思います。また、他の人との交流を通じて改めて自分たちの研究の意義や価値を再認識することができ、高校生で研究をしているのは私たちだけではないと実感し、「研究仲間」が沢山いるという嬉しさと「ライバル」としての緊張感を持ちました。

 

いきいきと発表を行う先輩方の姿を見て、この熱意を受け継ぎ、今後研究を発展、新展開させようという思いが沸々と湧いてきました。今回の総文祭への参加は、多くの刺激を受ける機会となり研究活動を行う強い原動力となりました。

 

また女川町や石巻市門脇南浜の巡検を通して、改めて地震災害の恐ろしさを痛感しました。と同時に、災害に強い街づくりに対する知見を深めることができたと思います。

私たちの住む地域にも、将来巨大地震災害が危惧されています。今回見てきた事実を周りの人に伝え災害に対する見識を持った大人になりたいです。

 

※岐阜高校の研究は、ポスター(パネル)発表部門の奨励賞を受賞しました。
※岐阜高校の研究は、ポスター(パネル)発表部門の奨励賞を受賞しました。

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